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「みんな、準備はいい?」 ドラえもんが確かめた。 ここはテンガンざんの頂上。 ドラえもんの他に五人の少年少女が集結していた。 「ま~ったく大変な目にあったよ」 すっかりくたびれた様子の丸眼鏡を掛けた少年、のび太が溜め息混じりに言う。 「ホントだよ、ドラえもん! 突然壊れちゃうような使えない道具、何で出したんだ!」 そうトゲトゲしく怒鳴ったのは、髪型もトゲトゲしく背の低い少年、スネ夫。 「しょうがないだろ。 未来デパートからのお試し秘密道具だったんだから、期待はしてなかった」 眉を顰めて、ドラえもんが肩をすくめる。 「僕は使うのに反対したんだ。 それなのにのび太君が『面白そう!』って勝手にみんなを集めて始動しちゃうからだよ」 「……つまりのび太のせいか! この野郎!」 短気で大柄なガキ大将、ジャイアンが拳をのび太に向けた。 「ま、待ってよジャイアン!」 のび太が慌てて弁明を始める。 「だって好きなゲームの世界に入れるなんて、楽しそうじゃない! それに、そっちだってノリノリだったじゃないか!」 「そうよ、武さん」 と割り込んできたのは、おさげをした五人中唯一の少女、静香だ。 「のび太さんを怒る必要は無いわ。 とにかく、今は元の世界に早く戻りましょうよ」 強気に説得する静香を見て、のび太の頬が紅潮する。 「し、しずちゃぁん……」 のび太の言葉は相当頼りなかった。 「ほら、剛田君も手を降ろして」 突然声を掛けられて、ジャイアンは振り向いた。 声の主は優等生と称される好少年、出木杉。 「……ちぇ、わかったよ」 ジャイアンは不服そうに呟きながら拳を解いた。 「さて、今度こそ良いね?」 ドラえもんが再度確かめる。 反対するものはいない。みんな『早く帰りたい』という思いは同じなのだ。 「じゃあ、しずちゃん、出木杉君」 ドラえもんが呼び掛けた二人は、頷いてモンスターボールを投げた。 地面にぶつかったボールは赤い光を放つ。 次第に光が広がり、大型の生物が現れた。 『神』――この二体はこの世界でそう称されている。 片方は、黒い体に煌く青い筋が巡る生物。胸には煌くダイヤがある。 片方は、白い体に煌く赤い筋が巡る生物。両肩には煌く真珠がある。 「パルキア、僕らを元の世界に行かせてくれ」 出木杉は白い生物に命令した。 パルキアは一声唸り、力を溜め始める。 「パルキアの『あくうせつだん』が始まるよ。これで元の世界に行ける」 「よくやってくれた、出木杉君。 さあ、静香ちゃんも早くして。『あくうせつだん』の前に時間を戻さなきゃ」 ドラえもんが黒い生物を一瞥し、静香を見る。 「ディアルガ、お願い。時間を戻して」 静香は指示を出した。 ところが、ディアルガは反応を示さない。 「どうしたの?ディアルガ」 静香は不思議そうにディアルガを見つめた。 「しずちゃん、まだかい?」 ドラえもんの声色には、焦りの色がちらついていた。 「ディアルガ、もう一度言うわよ。時間を戻して」 ――ディアルガは首を横に振った。 「おいやばいぞ。もうすぐ『あくうせつだん』が発動されてしまう!」 出木杉が叫んだ。 「ちょ、ちょっと待ってよ。 確か空間だけ移動しても、時間が戻っていなくちゃダメなんじゃないの?」 のび太がドラえもんに質問した。 「うん。空間だけだと、この世界にいた間の時間が消滅しない。 僕らが旅した間、元の世界では僕らはいなくなっていたことになっちゃうんだ。 だから時間も戻さないと、現在どころか未来まで大きく変えてしまうかもしれない」 「じゃ、じゃあどうするのさ!?」 「早く時間を戻さないとじゃんか!」 スネ夫とジャイアンが大慌てで捲くし立てる。 「……ディアルガ、ひょっとしてあたしと離れたくないの?」 静香は語りかけた。 ディアルガは小さく唸り、それから静香を見つめる。 そんな姿を見て、静香はディアルガにそっと手を触れる。 「聞いて、ディアルガ。あたしたちはここにいてはいけないの。 だから元の世界に戻る。 そのために貴方の力が必要なのよ。 だから……お願い。時間を戻して」 パルキアの体が光り始める。 「おい、出木杉! 技発動させんな、バカ野郎!」 ジャイアンが怒鳴り散らした。 「パルキアにちゃんと耐えろって指示したさ!」 出木杉が大声で説明する。 「だけど我慢には限界があるんだ! 限界点を突破したら発動してしまう!」 「ディアルガ、安心して」 静香は顔を上げて、ディアルガの目を見つめた。 「きっとまた会えるわ。 今と全く同じ姿じゃ無くても、元の世界で会えるかもしれない。 貴方が今、あたしたちを救ってくれたらきっと――」 やがて、ディアルガは頷いた。 体中から青い光が染み出している。 「ドラちゃん、みんな! 『ときのほうこう』発動するわ!」 静香が吉報を伝えてきた。 「おっしゃぁ!」「やったぜ、しずちゃん!」 歓喜の中、ドラえもんは静香と出木杉を手招きする。 「時間を遡る間、何が起こるかわからないんだ。 だからこっちで一塊になって! しずちゃん、出木杉君!」 静香と出木杉はドラえもんたちと手を繋いだ。 「ディアルガ、今よ!」 声高に、静香が発動の許可を出す。 時空を揺さぶる『ときのほうこう』が、テンガンざん頂上に響き渡る。 時間の遡上が始まった。 ――彼らが来ていたのは『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の世界。 未来デパートから配達されたお試し版『ゲーム世界入り込み機』を使用したのだ。 時期は丁度ポケモンの新作が出た頃。 当然の如く、みんなが行きたいと思ったゲームの世界は、ポケモンの世界だった―― 時間は戻った。 まだテンガンざんの頂上――時間はドラえもんたちがこの世界に来た時。 「僕らが作った時間はここまでだ。 あとは空間移動だけ……出木杉君!」 ドラえもんが合図を出す。 「パルキア、いけぇ!」 出木杉の声。 パルキアは呼応すると、ドラえもんたちのすぐ前を切り裂いた。 空間が切断され、黒い紡錘状の穴が宙に浮かぶ。 ――『ゲーム世界入り込み機』は出たい時にボタンを押せばすぐ元の世界へ戻るはずだった。 ところが、どうやら故障していたらしく、元の世界へは帰らなかった。 そこでドラえもんたちは計画したのだ。 ディアルガ、パルキアを利用して元の世界に帰る計画を―― 「タイムマシンみたいなものだよ。 中は異次元で繋がっている。さあ、閉じる前に行こう!」 先導するドラえもん、それに続く子供たち。 最後尾の静香は一瞬後ろを振り返った。 ディアルガは力を尽くした様子でよろめく。 それでも、静香をしっかり見つめている。 その目線をしっかり受け取り、静香は穴へと入っていった。 全員が出てきたのは、のび太の部屋だった。 静香が降り立つと、切断された空間は元通りになり、跡形も無くなった。 「やっと戻ってこれた~」 のび太が万歳をして喜ぶ。 「いやはや、長い旅だったね」 ドラえもんはそう言うと、畳の上の『ゲーム世界入り込み機』を手に取る。 「全くもう……急いで返品してやる」 「でも、そんなに悪くなかったよな」 ジャイアンが笑いながら語りだす。 「やっぱ自分の力で育てるのはいいもんだぜ!」 「ふふ、戦うときもかなり迫力あって楽しかったよね!」 スネ夫が話に乗ってきた。 そうして、みんなはそれぞれの思い出を語っていく。 夕暮れ時、ようやくみんなは帰り始めた。 「じゃあな、のび太!」「いろいろと楽しかったよ!」 ジャイアンとスネ夫はそう言って手を振り、のび太の家を後にする。 「僕を呼んでくれてありがとう! いい思い出になったよ、のび太君。ドラえもんも」 出木杉は無邪気に礼を言うと、夜の迫る外へと出て行った。 「……じゃあ、また学校で会いましょう。のび太さん」 最後に、静香が扉を開けた。 のび太とドラえもんは顔を見合わせて、微笑み合う。 「大変だったけど、いい冒険だったね」 ――冒険は終わり、何の変哲も無い日常が戻ってきたのだ。 たった五年間の平和が―― 未来――2126年。 ドラえもんは未来デパートから出てきた。 「……おかしいなぁ。確かに未来デパートからだと」 「お兄ちゃぁん!」 空から黄色い二頭身、ドラえもんの妹であるドラミがタケコプタ―を使って降りてきた。 「やぁ、ドラミ。よく僕の居る所がわかったね」 地に降り立つドラミに、ドラえもんは声を掛けた。 「うん。航時局の人がタイムマシンを点検しに来て、その時たまたま聞いたの! お兄ちゃんがこっちに来てるって。いったい何があったの?」 「未来デパートにちょっと用が……でも変なんだ。 『ゲーム世界入り込み機』って道具のお試し版が僕の所に来ていたんだけどね。 未来デパートはそんなもの配達させていないし、そんな道具も無いって言うんだ。 とりあえず欠陥があったから処分してもらったけど」 「あぁ~、じゃあまたお兄ちゃん、のび太さんたちに迷惑掛けちゃったんだ」 ドラミの言葉に、ドラえもんはムッとする。 「僕のせいじゃ無いよ! のび太君が勝手に始動させたから……全くあいつはいつも、何やっても――」 『また始まった』という様子で、ドラミは肩を竦めた。 「じゃあ、僕は帰るけど、セワシ君にもよろしく!」 ドラえもんはタケコプターを取り出す。 「伝えとく。暇が出来たらまたこっちに遊びに来てね!」 妹に見送られながら、ドラえもんは宙へ浮かんだ。 ――丁度同じ頃だ。 この国の環境省が、南極で異常な生体反応を確認したのは―― のび太たちがポケモンの世界で冒険した記憶は、徐々に薄れていた。 みんな日常を満喫する中で、非凡な日々は遠のいていったのだ。 やがて、月日は流れていく。 気がつけば5年の歳月が経っていた。 そうして今――野比のび太14歳。 中学校の体育館裏。 のび太は思い切りど突かれて尻餅をついた。 「おい、のび太。どういうことだよ!」 目の前に倒れこむ友人を見下ろしながら、ジャイアンが怒鳴る。 「俺らともう付き合わないって!?」 すると、のび太はキッとジャイアンを睨みつけた。 追い詰められた小動物が見せる必死の目つきとよく似ている。 「あぁ、そうだよ。ジャイアン! 僕ももう中三なんだ。遊んでいる暇なんか無い」 その気迫に押されながら、ジャイアンは少したじろいた。 「で、でもよぉ。別に絶交する意味はねえだろうが」 「いーや、そうはいかない! 僕の意志は固いんだぃ! 僕はこれから必死で勉強する。君らがいると鬱陶しいんだよ!」 「な、何だとこの――」 再び殴りかかろうとするジャイアンを、後ろから手が出てきて抑える。 「ふふ、やめてあげなよ。ジャイアン」 そう言って出てきたのは、頭髪検査など気にもせずリーゼントヘアを通すチビ、スネ夫。 「どうせのび太のことだから、三者面談で何か言われたんでしょ。 『今の学力じゃ、どこにも入れません』って――」 スネ夫とジャイアンの笑い声が響く中、のび太は肩で風を切りその場を去った。 ジャイアンかスネ夫が、のび太を貶してくる。 これは逃れられないスパイラルだった。 だから、のび太は決心したのだ――ジャイアンとスネ夫から離れようと。 そのため勉強を始めようとするが、当然うまくはいかなかった。 それがのび太の特性、学校のテストで順位が常に一番大きな数である事実は覆らない。 三者面談もボロボロ。先生から薦められたのは県下最低ランクの高校のみ。 だがダメだ。そこには――ジャイアンが来る。 いっその事私立に入る手もあった。レベルの低いとこならきっと。 だがダメだ。そこには――スネ夫が来る。 それ以前に親が反対してきた。『そんなお金無いから公立で我慢しろ』って。 こうして、運命はのび太を縛り付けていた。 夕暮れ時。 「ただいま~……」 のび太は自宅の扉を開けた。 返事は無い。代わりに台所から調理の音が聞こえている。 恐る恐る、のび太は台所の扉を開いた。 丁度その時、のび太のママ、玉子が振り向く。 「あら、帰ってたの? のびちゃん」 玉子は優しく微笑みかける。 そのおっとりとした表情に、のび太は一抹の期待を感じた。 (この様子はなかなか良さそうだ。今ならきっと……) 「あ、あのさママ。志望校をさ、せめて私立の方に」 ジャイアンよりスネ夫の方がマシ、そんな等式がのび太を愚かな行為に走らせた。 途端に変貌する玉子。その顔には鬼神が乗り移ったかのようだ。 「じょ、冗談だよ! ママ!」 のび太は急いで階段を駆け上る。 「ん、やぁおかえり」 のび太の部屋でごろ寝していたドラえもんは、上半身を起こす。 のび太は返答せずに、机に向かった。 「ドラえもん、何も聞かないでくれ! これから僕は勉強するんだ。僕の人生を素晴らしくするために!」 「……何も聞いてないけど。まぁ頑張りなよ」 そう答えると、ドラえもんは漫画を取り出す。 「くぅ~、ロボットは気楽で――おっと、僕もやらなきゃ!」 「ドラえも~ん」 机に突っ伏したのび太が、憐れな声を出す。 「僕を勉強出来る体にしてぇ~」 「……無理だね」 さらりと流され、のび太は膨れた。 やがて、ゆっくりと上半身を机から起こす。 のび太の目線はドラえもんに向けられた。 そこで一つの疑問が、突然浮かんでくる。 「あのさ、ドラえもん。君って……いつまでここにいるの?」 急にその場の雰囲気が沈み込む。 「その気になれば、今すぐにでも帰れるけど」 ドラえもんははっきりと言った。 「どうする、もういなくなってほしい?」 「な……そんなんじゃないよ! ただふと思っただけだって」 急いで首を横に振るのび太だが、だんだんその顔も俯いてくる。 「ただ、いつまでも君に甘えていちゃいけないなって思った」 ドラえもんは立ち上がり、のび太の方へ歩み寄った。 やけに真剣な顔つきでいる。 「どいて。のび太君」 「? どうしたんだい。ドラえもん」 「未来の世界に帰るのさ」 途端にのび太が顔を歪ませる。 「な、なに言ってんだよ。ドラえもん! 僕はいなくなれなんて一言も喋ってないし、思っても」 その言葉を切って、ドラえもんが首を横に振った。 「君の言うとおりなんだ。 僕がいつまでもここに居るわけにはいかないよ。 君も、今度の8月で15歳なんだ。僕がいなくてもやっていけるはずだよ」 長年ドラえもんと行動を共にしてきたのび太だからわかる。 今話したことは全て、ドラえもんの本心だと。 「……絶対に帰らなくちゃなの?」 のび太は縋る思いで、ドラえもんに質問した。 ドラえもんは素直に頷く。 「出会いがあれば、必ず別れがあるものなんだ。 僕が君に、永遠に尽くすことは出来ないからね」 「じゃあ、少し待ってよ」 そう言うと、のび太はドラえもんの目を見つめた。 「せめて、僕が高校に入学するまで居てくれないかな。 その代わり、僕頑張るから。 自分でやれば出来るって、君に証明したいからね」 すると、ドラえもんの顔が次第に綻んだ。 「うん」 「のびちゃーん、静香ちゃんが来てるわよー!」 階下で、玉子が呼んでいる。 のび太は首を横に傾げた。 「こんな時間になんの用だろう?」 兎に角、のび太は階段を降りていく。 玄関で、静香は待っていた。 「やぁ、しずちゃん。どうしたの、こんな時間に」 「のび太さん、大変よ! 今日の帰り道、たまたま武さんにあったの。相当怒っていたわよ、貴方に」 その言葉を聞き、のび太の顔が蒼ざめていく。 「お、怒っていたって……どのくらい?」 「そりゃぁもう、金属バット振り回して『あいつをスクラップにする練習だ』って言うくらい。 どうするの? 貴方多分――明日が命日ね」 静香の宣告が、のび太の心でこだまする。 「しずちゃん……教えてくれてありがとう。 久々に、ドラえもんの道具をつかう事にするよ」 階段を登りながら、のび太はふと考えた。 (……僕、またドラえもんを頼りにしてるな。 これじゃドラえもんの言った通りだ) 次第にのび太の足が重くなる。 (やっぱり、そろそろドラえもんと別れなきゃなのかな。 そうしないと、僕は本当に自分で頑張れない……) 気がつくと、扉の前。 のび太は一呼吸ついて、扉を開いた。 「ドラえもん、ちょっと――」 「のび太さん! 丁度良かったわ、一緒に来て!」 突然、ドラえもん以外の声がのび太を呼び掛ける。 その声の主は机の引き出しから半身を出していた。 「ド、ドラミちゃん!?」 息を飲むのび太の前で、ドラえもんが立ち上がる。 「うん。のび太君も来たほうが良い。 たった今ドラミが来たところなんだ。 話は後でするよ。未来が大変なことになっているから」 そういうと、ドラえもんは引き出しへ向かう。 「さあ、のび太君も早く!」 ドラえもんに促され、のび太はついて行った。 引き出しの中には超空間が広がっている。 板の上に機材を乗せた簡素なタイムマシンが一つ。 そしてその隣にチューリップ型のタイムマシン。 そのチューリップが、ドラミの乗ってきたタイムマシンだった。 三人はドラミのタイムマシンに乗り込む。 ドラミが操縦桿を握り、タイムマシンが始動する。 「目標……2126年っと」 轟々と音を立てて、タイムマシンが動き出す。 「……ふぅ、久しぶりだな。タイムマシンに乗り込むのも。 ところで、そろそろ話してくれないかな?」 のび太はドラえもんとドラミに向き合った。 「未来が大変なことになってるって?」 「えぇ、そうよ。 未来である事件が起こってしまったの。しかもそれにはのび太さんたちが絡んでいるわ」 ドラミが淡々と説明した。 のび太は首を傾げるばかり。 「事件? 何で僕が絡んでいるのさ」 「ほら、10歳の頃だよ。僕らがポケモンの世界で旅した時」 ドラえもんが話をする。 「あの時、僕らはディアルガとパルキアを使って元の世界に戻った。 『ゲーム世界入り込み機』は処分したけど、もうその時に問題は起きていたんだ。 僕らが道具で作り出したポケモンの世界は、まだ残っていたんだよ。 当然、ディアルガとパルキアも生きていた。 そして来たんだ――こっちの世界に」 途端に空気が張り詰める。 「そ、それってつまり……」 のび太は恐る恐る目線を泳がし、ドラえもん、そしてドラミへ向ける。 「そう、未来でポケモンが発生しているのよ」 ドラミが事件の全容を語りだした。 「南極で氷付けにされた未確認生物が発見されたの。 日本の環境省が最初に発見して、博士たちが日本へ運んだ。 いろいろ研究されていたみたいだけど、その間にまた事件が起きた。 ディアルガとパルキアのいた南極から、生物が次々と発生したのよ。 その生物たちは異常な繁殖力で南極に住み着いた。 さらにその生物は環境適応力が凄まじく、どんな場所でも住むことが出来るとわかった。 ここまでわかる?」 ドラミは一旦言葉を切り、のび太を見つめた。 「う、うん。 つまりその生物がポケモンなんだね」 「そういうこと。それで」「ま、待ってよ!」 話を続けようとするドラミを急いでのび太は制した。 「まだよくわからないんだ。どうしてディアルガとパルキアがそこに?」 「君も覚えているだろう? その二体の能力を」 ドラえもんが答える。 「『時間転移』と『空間転移』――これが二体の能力だ。 これはタイムマシンにも備わっているって前に話したことあるよね? 同じように考えれば良い。 ディアルガとパルキアは超空間を通って南極に来たんだ。 時間と空間を越えてね。 だけど、恐らく出た場所が南極の永久凍土の中だったんだ」 「未来の博士たちもそれに気づいたの」 ドラミが話を取り次いだ。 「ディアルガとパルキアに備わった『タイムマシンに似た能力』。 そこから仮説を立てて、さらに続々と発生する新たなポケモンにも結論付けた。 彼らは凍土の中の穴を通ってこっちへ来てしまったのよ」 「……じゃあ、未来はどうなっちゃったの?」 のび太が質問する。 「今のところ、まだポケモンたちはそんなに繁殖していないわ。 あたしがこっちへ向かう時、各国でポケモンの適応力に注目が集まっていたけど。 そうやって世界中にポケモンが移り住んでも完全に広まるまで4~5年は掛かるはずよ。 だから今ならまだ間に合うの」 「間に合うって……まさかポケモンを全て戻す気じゃ」 のび太は不満げな顔をして、ドラえもんに目を移す。 「僕の持っていた『ゲーム世界入り込み機』がわかればいいんだ。 それを見れば、作られたポケモンの世界を消すことが出来る。 ポケモンたちは存在出来なくなり、これ以上増えることは無い。 その後は地道に減らしていくか、保護していくかはまだわからないけど―― とにかく僕らは『ゲーム世界入り込み機』の情報を伝えに行くわけさ」 「もし見つからなかったら?」 素直なのび太の質問が、ドラえもんを翳らせる。 「探すか、デパートの処分履歴を見てもう一度作るしかない。 で、でも安心して! 時間は掛かってもタイムふろしきとタイムマシンで元に戻れるから。 ところでドラミ、どうして僕らの世界に来たんだい?」 「……ぇ? どういう意味? お兄ちゃんたちがポケモンの世界を作ったのは7月20日でしょ? この前こっちに機械を処分しに来たときそう教えて――」 「ま、待てよドラミ。いつの話をしているんだ? ポケモンの世界を作ったのは4年前の7月20日だぞ」 「そ、それホント!?」 ドラミが口調を荒げる。 「ホントだよ、ドラミちゃん。 あれは確かに4年前の今日……あれ、もしかして連れてくる人、というか僕らを間違えた?」 「そんなわけ無いわ! タイムマシンにはちゃんと入力したもの。 それについ最近点検があったばかり……ね、お兄ちゃん覚えているでしょ?」 ドラミはドラえもんに振り向いた。 その期待の目線に反して、ドラえもんは首を横に振る。 「僕の記憶だと、それも4年前だね。 丁度僕が機械を処分した日に、ドラミの方から話してきた」 「そう、その後お兄ちゃんと別れて、それで家に帰ったの。 そうしたら環境省から連絡が入ってお兄ちゃんを連れてくるように言われて」 「つまり君は――」 ドラえもんがドラミの言葉を切って結論する。 「4年前の僕と出会ったんだ。 ここにいるのは4年後の僕とのび太君だよ。 ほら、のび太君も中学三年生なんだ。背が伸びてるでしょ。顔はあまり変わってないけど」 「ふん、どうせ童顔だよ!」 のび太はムッと一言吐き捨て、それからドラミに向き合う。 「それで、いったいどうして僕らの世界にくることになったの?」 「それは……まだよくわからないけど」 何度もタイムマシンの設定画面を確認しながら、ドラミは言った。 「もしかしたら超空間自体が歪んだのかも――! 着いたわ!」 空気が抜け出るような音が、辺りに響く。 光が包み、タイムマシンは超空間を抜けた。 出てきたのは、セワシの部屋。 高層ビルの一室だ。 降り立った三人は真っ暗な室内を見回す。 「セワシさーん!」 ドラミが叫ぶが、返事は無い。 「どうやら留守のようだね」 ドラえもんが赤外線の入った目で辺りを探った。 「変ねぇ、暇なときはいつもそこらへんで寝ているんだけど……」 ふとドラミが呟いた言葉に、のび太の血筋が端的に現れていた。 (全く、しっかりしろよ。僕の子孫) ふてくされて、のび太は窓の外を見つめる。 その時――見えた光景によってのび太は口をあんぐりと開けた。 「ね、ねぇドラえもん! あれ見てよ!」 慌しく、のび太が窓の外を指差した。 夜の外では、カラスが飛び交っている。 しかもただのカラスではない。 頭の羽が、草臥れた山高帽の形をしている。 その体も普通のカラスとはかなり違っていた。 「あ、あれはヤミカラスだよ! ポケモンの!」 「ちょっと待って!」 そう一声告げ、ドラミは窓へ近寄る。 右から左へゆっくりと目を向け、やがて顔をしかめる。 「そんなバカな……」 そう呟くと、ドラミは二人の方を向いた。 「おかしいとは思ったけど、タイムマシンは目標より4年進んだ世界へきたみたい。 ここは私の世界から4年後――もうポケモンが日本まで侵食してるわ」 環境省内―― ここは一日中開いている。 「じゃ、のび太君はここに居てね。僕らは奥で話しつけてくるから……」 ドラえもんはそう言い残すと、のび太を広間に残してドラミと共に行ってしまった。 ポケモンが繁殖してしまったことはさておき、例の道具について話してくるらしい。 最も、この世界では4年前の話。通じるかどうかは賭けだが。 椅子に座ってぼんやりしているのび太の目に、ちらほらと色んなものが見えてきた。 ポケモンたちが人に連れられて省内を歩いている。 のび太と同じようにぼんやりとして動かないポケモン、逆に忙しなく動いているポケモン。 今まで架空の世界の住人であったものが、現実として現れている。 改めて、のび太はぞっとした。 (僕は……大変なことをしてしまったんだ。 そう、歴史を変えてしまうくらいの大事を……) にわかに湧いてきた罪悪感から逃げるように、のび太は目線を動かす。 やがてそれはドラえもんたちの向かった通路に向けられた。 (あれ?) 黄色い体が一瞬見えて、通路の脇に消えた。 (ドラミちゃん……かな?) だけど、少しのび太は考えた。 ドラミとドラえもんは少し前に通路へ向かったはず。 それなのにまだ通路にいるはずがない。 そう結論がつくと同時に、奇妙な感覚を感じた。 無邪気な探究心が、体中を駆け巡る。 好奇心に駆られ、のび太はその通路へと吸い込まれるように向かっていった。 通路の奥には大きな引き戸がある。 それだけしか無かった。 (……あれ、でもさっきはここで脇に曲がったような) のび太は首を傾げて辺りを見回した。 白い壁がのび太を挟んでいるだけ。 ますます不思議に思い、のび太はその壁を確かめた。 触れてみると、ひんやりとした感覚が伝わってくる。 少し押してみたが、びくともしない丈夫な壁だ。 「おっかしいなぁ」 更に調査を続けていくうちに、だんだんとのび太の体は引き戸へ近づいていった。 それでも、諦めの悪いのび太は調べ続ける。 もうじき体が引き戸に辿り着いてしまう、その時。 引き戸が重たい音を立てて開き始めた。 「ま、まずい!」 のび太はついしゃべったと同時に、壁の変な窪みを押す。 途端に壁がくるりと回り、のび太を奥へ引き込んだ。 「う、ぅわ!」 とのび太が慌てふためいているうちに、壁はまた閉じてしまう。 壁の奥の暗闇の中で、のび太はぽつんと佇む。 「ん? 今誰かいたような……気のせいか」 そう呟くと、ドラえもんは引き戸の奥へ向く。 「おい、ドラミ。早く戻ろうよ。 のび太君が心配しているに違いないからね」 「うん、わかった」 引き戸からドラミが姿を現した。 脇の壁の中にいる人物を求めて、広間へと向かっていく。 徐々にのび太の目が暗闇に慣れてきた。 「階段だ……」 足元を確かめると、そこには地下へ続く段差が見受けられる。 どうやらこの隠し扉の向こうは地下のどこかへ繋がっているらしい。 多少怯えながら、のび太は慎重に階段を降りていった。 足元は暗いためよく確かめないと落ちてしまう。 そのため足取りもゆっくり、おとなしくなっていた。 下るうちに、次第に周りが明るくなってくる。 (この下に……光るようなものがあるのかな?) 思考を巡らしていると、ついに階段が終わった。 目の前には黒い扉があり、隙間から青白い光が漏れている。 取っ手を見つけると、のび太はつばを飲んでそれを握った。 黒い扉は慎重に開かれる。 その部屋には誰もいなかった。 奥の壁には大きなコンピューターがあるが、それ以前にのび太の目を引くものがあった。 「ディ、ディアルガ……それにパルキアも!?」 のび太は急いで、二体が入っている管に駆けて行く。 二体は緑色の液体に入れられ、目を閉じたままぴくりとも動かない。 その威圧感のある体をのび太は恍惚して見ていた。 そ~っと、その管に触れてみる。 温かい、生物に触れたような感覚が掌に広がる。 「まだ生きてるんだ……」 のび太は直感した。 南極に4年間も氷付けにされて、それでもなお生き続けていたのだ。 嬉しさに似た気持ちをのび太は感じる。 名残惜しそうに、のび太は管から手を離した。 (そろそろ戻らなくちゃ) そう思ってのび太は出口を振り返る。 だが、そこに丁度誰かがやってきた。 のび太は気づいたが、隠れる間も無く黒い扉が開かれる。 出てきたのは白衣の男一人と警備員らしき男二人。 「だ、誰だ君は!?」 白衣の男が声を荒げた。 何とか対処しようと、のび太は口を動かす。 「あ、あのそのこれは――」 「おい警備員! 捕らえろ!」 のび太の努力空しく、白衣の男は警備員を使役する。 警備員の一人は前に出て赤と白のボールを投げた。 (あ! モンスターボールじゃないかぁ) 羨ましそうにのび太が目を向けているうちに、橙色のポケモンが繰り出される。 「ガーディ! あの少年を捕らえるんだ!」 片方の警備員が指示を出す。 呼応するように吠えて、すぐにガーディはのび太の方へ駆け出してきた。 「う、うゎああ!」 すっかり動揺して叫びながら、のび太は管の方へ走ろうとした。 しかし、突然の騒音が行動を止まらせる。 何かのブザーが鳴り、室内が赤く照らされた。 ふとコンピューターを見ると文字が書かれていた。 ――侵入者――と。 一瞬自分のことかとのび太は思ったが、すぐに違うとわかった。 地下室の壁が爆音と共に砕かれたからだ。 「な、なんだいったい!?」 警備員たちも動揺している。 この世界の住人が動揺している中、のび太の思考もただではすまない。 完全に混乱していた。 地下室の壁に出来た大穴には、鎧のような皮膚とドリルを持つポケモン。 ドサイドンが一体だけいる。 (あ、あの一体でこんな大穴を――!?) のび太が驚くのも当然だ。 地下室の壁はドサイドンの身長の5倍はある。 その高さに及ぶ大きな穴を一体で開けてしまったのだから。 「くそ、ガーディほのおのキバだ!」 警備員が命令し、ガーディがドサイドン目掛けて牙を燃やし突撃する。 一瞬炎が閃き、ドサイドンの腹に橙の炎が舞い上がる。 ガーディは確かに相手の腹に噛み付いていた。 炎が二体を包んで燃え盛る。 やがて、火が消えてガーディは相手と間合いを取った。 その行動に反して、ドサイドンは極めて何事も無かったかのようだ。 「な、ダメージがほとんどない!?」 愕然とする警備員の声。 「ドサイドン、ロックブラストだ」 穴の奥から声が聞こえ、ゆっくりとドサイドンの腕がガーディに向けられる。 ガーディは必死に逃げようとするが、その行く手ごと岩の塊が多数発射された。 風を巻き起こす勢いで、ガーディは岩ごと壁に叩きつけられる。 鮮血がその場に飛び散った。 「ガーディぃぃ!!」 駆け寄る警備員の前で、ガーディはがっくりと項垂れる。 「ストーンエッジ」 再びドサイドンへの指示。 ドサイドンは仰角に岩石を打ち込み、それが白衣の男たちに降りかかる。 白衣の男と一人の警備員は急いで扉から逃げたが、一人は残った。 さきほどガーディに駆け寄った警備員だ。 「ガーディ! しっかりしろガーディ!」 警備員の悲痛の叫びが聞こえてくる。 しかし、岩は勢いをとめることなく警備員に降り注いだ。 あっという間に入り口周辺が岩に埋まる。 のび太は麻痺したかのようにその岩を見つめていた。 先ほどの警備員の言葉が頭の中で反芻する。 さっきまで叫んでいた人が、助けようとしたポケモンが、今は岩の下に埋もれている。 恐らくもう助からない。 (死んだんだ――) そう考えると、のび太の体に悪寒が走った。 ドサイドンが赤い光に包まれ、穴の奥に消えた。 「サイコキネシス」 穴の奥の人物、ドサイドンを操っていた人物が別のポケモンに命令する。 ディアルガとパルキアの入った管が光り、宙に浮かんだ。 その質量をまるで感じさせず、二本の管は穴へと飛んでいった。 上の空ののび太の横で。 しんと静まり返った室内。 のび太はふと、大きく開けられた穴を見つめた。 (あそこに入ったら、ここから離れられるかな) 今ののび太の考えていることは唯一つ。 ここから離れることだけだ。 ディアルガとパルキアは恐らく極秘に扱われていたのだろう。 それが連れ去られた場にいれば、のび太は間違いなく疑いがかかる。 しかし、そんなことはあまりよく考えていなかった。 ただ、あの岩から離れたい。 あの入り口に山積みにされている、人の命を奪った岩から一刻も早く。 (でも、その岩で人が死ぬ原因を作ったのは――) 負の意識がのび太を蝕む。 自分のせいなのだ。それは言い逃れ出来ない事実。 気がつくとのび太は穴へ入っていた。 徐々に角度がつくところを見ると、どうやら地上にたどり着けるようだ。 でも、のび太の足取りはだんだんと重くなる。 考えがどんどん落ち込み、自分のしでかした失敗が重みとなっていた。 そしてその罪悪感から逃げたい思いも強くなった。 「……?」 急に土じゃない何かを踏んだ感触がして、のび太は下を向いた。 赤い下地に時計の模様が描かれている――タイムふろしきだ。 途端にのび太の脳が、私利私欲のために指令を出す。 欲望のまま、のび太はタイムふろしきを被った。 時の流れはすごいもので、4年もあれば人は変わるものだ。 年を取っても変わるのだから、若返っても変わる。 どうして自分が無事なのか、どうしてタイムふろしきがあるのかは考えなかった。 4歳若返ったのび太がそこにいた。 次へ
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ママのしゃべり方が怖すぎる。 -- 名無しさん (2014-07-28 16 42 27) ドラえもんでは珍しいホラー要素がある映画だった。 -- 名無しさん (2014-07-28 17 10 12) ドラえもんの数ある曲の中で この映画の「君がいるから」が一番好きだわ -- 名無しさん (2014-07-28 18 35 19) コロタン文庫の「大長編映画ドラえもんクイズ全(オール)百科」では、ドラえもんにとっては思い出したくない話とされていた(自分が元凶だから) -- 名無しさん (2014-07-28 18 44 24) 単行本の大長編がないのが実に残念。藤子先生絵のキレのあるセリフ回しが見たかった。 -- 名無しさん (2014-07-28 20 02 44) あくまで結果論だが、今作はドラえもんのマッチポンプだったりする。 -- 名無しさん (2014-07-28 23 14 44) この妖怪たちってプログラムなのかロボなのかわからない パラレルの現代でみんな妖怪だったのを見ると生き物? -- 名無しさん (2014-07-28 23 37 16) ↑色んな生命体作れる道具があるから、多分それらに類似した道具で作ってる可能性高いね。 -- 名無しさん (2014-07-29 04 43 20) マッチポンプとまでは言わないけど、確かに1から10までドラえもんたちのせいだわw 他はちょっとした過ちやトラブルから世界の危機を救う、というのが多い事を考えるとなおさら -- 名無しさん (2014-07-29 05 28 31) この時にドラミちゃんに助けてもらったので、次回作でもドラミちゃんが助けに来てくれると思ってたドラちゃんw -- 名無しさん (2014-07-29 19 29 43) ↑2自分で蒔いた種は自分で刈り取れだね しかし未来の世界はこんな危ないものを製品化していたのか 登場キャラクターが外に出るって欠点残したまま -- 名無しさん (2014-07-29 19 32 11) カエルとヘビの唐揚げを美味しい美味しい言ってたのはほんとうに大好物になっちゃってたってことなのか -- 名無しさん (2014-07-29 19 43 53) 実際旨いというが -- 名無しさん (2014-07-29 19 59 08) 鶏肉みたいな味がするとは聞くな。実際普通に食べる地域は結構あると聞く。 -- 名無しさん (2014-07-29 20 13 24) カエルもヘビもトカゲも、普通に食用とされるものがあるからな。カエルなら俺も食べた事あるし。ママが使ったヘビとカエルとトカゲが、人間にとっても食用になる種類のものかどうかは分からないけど -- 名無しさん (2014-07-29 20 19 09) 主題歌がヨカッタ。リンレイの葛藤もなんか可愛そうだった。 -- 名無しさん (2014-07-29 23 08 14) だから旅に出た!旅に出た!明日という名の街を目指して。 -- 名無しさん (2014-07-29 23 18 02) 小学生の遠足の帰りのバスで初めて見た作品だっけな。 -- 名無しさん (2014-07-31 07 11 43) 絵本の西遊記では結構存在を省略されがちなもんで紅孩児の存在を知ったのはドラえもんでだったな。原典のほうでも仏門に帰依してるし、ちゃんと原典に忠実なんだな -- 名無しさん (2014-12-08 23 10 27) 新聞越しのツノが怖かった -- 名無しさん (2015-02-09 23 01 05) この映画がなければ最遊記は生まれなかったらしい -- 名無しさん (2015-06-06 10 41 30) リンレイが最終的に裏切ったのはドラえもんの言っていた「プログラムを超えた進化」なのかな。それとも元々そういう位置づけ(敵を裏切って仲間になるお助けキャラ的ポジ)だったのかね? -- 名無しさん (2015-07-22 20 58 15) ↑原作「西遊記」では元ネタの紅孩児は観音菩薩に調伏されて善財童子として三蔵一行を手助けしているんだよな。それを考えるとプログラム通りとも考えられるけど。 -- 名無しさん (2015-09-09 01 03 32) 今のところ出木杉君が出番があって最も輝いてた映画 -- 名無しさん (2015-11-02 13 45 15) 西遊記を基にしたドラえもんが作られたのなら、三国志を基にしたドラえもんが作られても良さそうだ。 -- 名無しさん (2015-12-04 23 47 42) 主題歌が印象に残る -- 名無しさん (2016-04-29 10 20 00) この映画では西遊記、ドラビアンナイトではアラビアンナイト、雲の王国ではノアの洪水、南海大冒険ではリバイアサン、桃太郎のなんなのさでは桃太郎、ドンジャラ村のホイでは一寸法師や親指姫の存在が証明されたけど、ドラえもんで昔話が実話だった例って他にもあるかな?(モンスターボールの八岐大蛇は微妙だけど) -- 名無しさん (2016-06-25 15 28 36) ドラミの登場がなかったら、エンディング映像での母と子の再会は、ドラえもんとのび太とママの3人を描いたのかも。 -- 名無しさん (2016-08-22 19 38 48) フィルムコミックス版では、羅刹女が死の間際、息子のことを気に懸けたり、屋根の上でのドラ兄妹の会話が描かれていた。 -- 名無しさん (2016-08-22 22 23 33) パラレルなのに同次元なのか -- 名無しさん (2016-08-23 13 04 53) ドラえもんズのアレを連想しそう。 -- 名無しさん (2016-09-08 23 49 11) ↑ -- 名無しさん (2016-09-09 00 15 33) ↑6マッチ売りの少女も -- 名無しさん (2016-09-09 00 48 47) ↑7 ちょっと違うかもしれないが宇宙漂流記でのノストラダムスの予言もそうかね -- 名無しさん (2016-09-10 11 04 48) 予告編が中国語じゃなかったっけ?うろ覚えだけど -- 名無しさん (2016-10-28 21 23 52) ↑1 中国語で合っている。 -- 名無しさん (2016-10-28 21 55 11) いつかリメイクしてほしい作品。漫画で見たい。 -- サヤ (2017-01-17 20 39 19) この作品は、母と子の絆が描かれていたけど、羅刹女とリンレイは可哀想だったな。 -- 名無しさん (2017-01-29 19 26 23) Go to the west!! -- 名無しさん (2017-01-30 07 11 33) 雨雲型の秘密道具で火焔山の炎を消そうとした際、逆に炎の手で握り潰されるシーンが印象に残った -- 名無しさん (2017-01-30 17 02 33) パラド「俺達の先輩ともいえるな」 グラファイト「確かに」 -- 名無しさん (2017-04-23 20 15 28) 先生であれなんだからジャイアンの両親とか一体どんな化け物に変化するんだ -- 名無しさん (2017-08-19 05 44 04) しずかの「ママが…ママが…」だけで、何があったかは想像が付くけど、しずかのママが妖怪化する程の怒りとは?しずかママの怒りといえば、魔法少女回ぐらいだったし。 -- 名無しさん (2017-09-22 21 11 47) ↑もしくは、洗面所とかの鏡に・・・あるいは、のび太くんのパパのように、影が妖怪化した母親の姿が・・・! まぁ、あまり嘆く美少女には、深追いはNGでっせ・・・( 何言ってんだろう、アタシ。 ) -- 名無しさん (2017-09-22 23 12 44) 映画じゃのび太以上にヘタレる事の多いスネ夫だけどこの映画が歴代で一番目立たないし恰好のいい見せ場もない映画だと思うw -- 名無しさん (2017-12-06 00 10 35) ↑1 確かに。でも、ママに必ず帰ることを誓うシーンは、妖怪化してしまっているからこそ、余計に胸に来た。 -- 名無しさん (2017-12-27 19 21 38) 今リメイクしたら「気持ち悪い」とか「怖すぎる」とかクレームが来そうだな。まあ、原作マンガがないこの作品がリメイクされるかどうかわからないけど。 -- 名無しさん (2018-03-03 14 32 37) 上から4番目の所でもコメントされてる大長編映画ドラえもんクイズ全(オール)百科についてですが、劇中での夜のシーンでドラえもんとのび太くんの布団が髑髏&蝙蝠のマークになってたけど、当のドラのび本人たちは気付かなかったらしい・・・怖ぇーよ、いろんな意味で。 -- 名無しさん (2018-04-20 00 50 01) リンレイの言葉に関しては「日本語版のゲームから出てきたキャラだから」とも考えられる。「ほんやくコンニャク」のような万能翻訳機能がヒーローマシンについていたとすれば、その中のキャラクターとも会話可能であろう -- 名無しさん (2018-05-21 17 56 09) さらっと人類絶滅してるのがショックだったな、さらっとだけど当時は本当に怖かった -- 名無しさん (2018-05-21 18 37 45) 自分で蒔いた種は自分で刈り取れね。色んな連中から馬鹿にされているのび太はやっているが。今の世の中それができている人っているのかね。力を持っている人達ですら怪しいのに -- 名無しさん (2018-08-21 19 25 36) ↑4 だが待ってほしい。「怖がらせちゃうから、本性出すのは寝てる間だけにしよう///」という擬人化キャラだとすると萌えてこないか? -- 名無しさん (2018-10-02 09 48 59) ラストで牛魔王相手の大逆転は、のび太の道具の使い方のうまさがあらためて感心させられる -- 名無しさん (2018-10-02 10 43 38) ↑×7仮にリメイクされた場合は、羅刹女のキャラが魔界大冒険のメドゥーサ並みに改変されそうだな。 -- 名無しさん (2019-01-21 18 10 08) ↑牛魔王の力で変身してしまったリンレイの実母みたいな?↑2あの大逆転は結構好きな場面の一つ。意外に映画は峰倉さんが脚本とメガホンを取ったりして・・・無理か。 -- 名無しさん (2019-01-21 19 14 58) 歴史改変は鉄人兵団でもやってるけど鉄人兵団における設定ならのび太達も妖怪化しているはずなんだけどそうなってないという事はのび太達は歴史改変の影響を受けてないと言う事になる。実はのび太達って仮面ライダー電王における特異点なのかなぁ -- 名無しさん (2019-09-16 18 18 18) 最初は「のび太が孫悟空なんて」と笑ってたジャイアンが、ラストでは「お前は孫悟空だよ」と認めるところが良かったね -- 名無しさん (2019-11-14 18 15 30) のび太たちの両親が妖怪化したということはその子供であるのび太たちも妖怪の血が入ってしまったんじゃないかと思うんだがどうなんだろ? -- 名無しさん (2020-07-19 22 39 03) 元ネタ的には、オレQ⇒オバケのQ太郎(オバQ)、怪者くん⇒怪物くんなのだろうか? -- 名無しさん (2020-07-19 22 57 52) ヒーローマシンのバグTASは笑ってしまった -- 名無しさん (2020-07-19 23 40 45) ↑3多分、タイムマシンを使ってたのび太たちは仮面ライダー電王で言うところの特異点だったから歴史の改編の影響を受けてなかったのだと思う -- 名無しさん (2020-11-03 11 35 48) 三蔵法師が実在する時代に来てゲームを起動したまま放置する、という普通は絶対に実現しない状況での話とはいえ人類を滅ぼす可能性がある危険なゲームを発売してる未来世界も大概だな -- 名無しさん (2020-11-03 11 40 09) のび太くんの夢の中のお釈迦様のドラえもん....お釈迦様というよりお稲荷様....ボソ。 -- 名無しさん (2020-12-13 10 35 14) リンレイとの別れの際にのび太が自分の本当の名前を明かそうとしたとき、ジャイアンが「お前は孫悟空だよ」って言ったシーンが地味に好きだったりする。 -- 名無しさん (2021-01-04 12 02 02) 妖怪と人類との全面戦争を起こした上に人類滅亡までさせてるわけだから文明破壊系の危険なひみつ道具だな -- 名無しさん (2021-04-24 15 32 25) ↑5↑8歴史改変を行った人間は歴史改変の対象外となる。そうでないとそもそも歴史改変を行う人間がいなくなっちゃって歴史改変自体が起きないから……ってことじゃないかな。鉄人兵団の設定はちょっと覚えていないが。 -- 名無しさん (2021-08-18 15 38 16) 孫悟空になったことで性格にも影響があらわれているのか今回ののび太はかなり猛々しい。敵の妖怪には怯まずガンガン攻撃しかけていくし捕まっても弱音を吐かない -- 名無しさん (2021-08-18 15 49 50) 家族や友達など身近な人が妖怪になってるところがホラーチック。魔界大冒険と同じくドラミちゃんが助けに来なければ全滅していた。 -- 名無しさん (2021-12-27 20 40 44) ↑あれの演出はホラーそのものだよね -- 名無しさん (2021-12-27 21 02 26) ↑7 何かの都合で狐の代わりに狸を使わしたんだな -- 名無しさん (2022-01-04 09 53 43) 牛魔王=ブラッドレイ大総統、金角=クセルクセス王、銀角=コーネロ教主なんだね -- 名無しさん (2022-01-24 12 55 42) リンレイを預けて歴史改変起きないのかと不安になったけど別にそんな事はなかったんだっけw -- 名無しさん (2022-03-13 01 14 52) この辺りの大長編及び映画のドラえもんシリーズは、終盤でタイムパトロールやドラミちゃんとかがピンチの時に駆け付けてくる、デウス・エクス・マキナ的な展開が多かったなあ。リトルスターウォーズのスモールライトの時間切れのも、F先生が「敵キャラの頭脳面が強すぎて積みかけた(意訳)」があったとは言え、その一部かなあ。 -- 名無しさん (2022-03-28 10 45 18) 夢幻三剣士の項目にも書いてあったけど、作者は長いストーリーを組み立てるのが苦手で、第三勢力が介入して終わる例が多いは、映画のために膨大な構想がまとめきれず急にストーリーを締める必要があったかららしいよ -- 名無しさん (2022-07-24 14 25 50) コメントのログ化を提案します -- 名無しさん (2023-01-07 22 58 38) パラレル西遊記 怖すぎ -- 名無しさん (2023-03-07 16 42 33) パラレル西遊記 怖すぎ -- 名無しさん (2023-03-07 16 43 12) ログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-03-26 18 36 02 ネット配信で気軽にドラえもんが見れるようになった現代でもこの作品だけは避けて通るようにしてる。それくらいトラウマ。 -- (名無しさん) 2023-05-24 06 40 22 ↑7 F先生は西部劇が好きだから、決着をタイムパトロールに任せるのは騎兵隊エンドを踏襲してるんだろうね。あとは「いくらひみつ道具を持っているとは言え、小学生と正面対決で負ける悪役は描きたくない」っていうこだわりもあったんだと思う。その結果初期作品はご都合主義みたいな決着が多くて賛否両論あるけど、個人的にはその方が敵の強さが際立ってて好き。 -- (名無しさん) 2023-09-03 00 45 49 三蔵法師さまの器の深さや中盤のホラー展開、後半のピンチのあとのカタルシスに主題歌が彩りを添える。素晴らしいドラえもん映画。 -- (名無しさん) 2023-09-10 19 23 30 三蔵法師さまドラミちゃんが救出に来た時に思わず「観世音菩薩様...。」ってつぶやいてるのがシリアスなギャグっぽい(本人は命かかってるから真剣だろうけど) -- (名無しさん) 2023-09-23 19 59 36 のび太がジャイアンに「お前は孫悟空だよ」って促されて名乗るとき、ちゃんと「斉天大聖 孫悟空」って名乗るんだよね。さり気ないけど、聡明なとこが出てて本当に大好きなシーン -- (名無しさん) 2023-11-10 20 17 52 金銀兄弟といい牛魔王といい妖怪にはドラえもんは美味しそうに見えるのかしら -- (名無しさん) 2023-11-10 20 44 33 ドラえもんの道具とのび太の悪い癖が原因でケンカしたのにあっという間に仲直りしたな。 -- (名無しさん) 2024-01-07 17 14 00
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前へ 「ありがとうございました。」 ウイーン、と今作から加わった効果音と共にのび太はリゾートエリアのポケモンセンターを出た。 その手にはプレミアボールがしっかりと握られている。 のび「君は砂漠で倒れた僕達をここまで連れてきてくれたんだね?」 ボールの中の伝ポケ、ヒードランは自慢げにこっくりと頷いた。 何故かのび太に懐き、今しがた彼の手持ちに入ったところだ。 のび「やっぱりそうか!ありがとうヒードラン!!」 のび太に感謝され、ヒードランはますます鼻高々だった。 「良かったねのびた君」 のび「うん!本当に良かっ………」 その場に凍りついた様に動かなくなったのび太。顔が青ざめている。 のび(そうだった……ここには…リゾートエリアには……) ドラ「しばらく振りだね。」 ドラえもんがのび太の背後に立っていた。 ドラ「どこ行ったのかと思ったよ。全く、人騒がせだなあ。」 そう言いながらドラえもんの顔はヘラヘラと笑っている。 言うまでもなく、言葉とは裏腹にのびたとの再開が嬉しいだけだが、のび太本人は違っていた。 のび「うん…そうだね。そうそう、ドラえもん……これ。」 のび太がドラえもんにモンスターボールを差し出した。 中身は、ヒードランを運ぶ際に助けてもらったブビィだった。 ドラ「!!のび太君……」 感激して声も出ないドラえもん。 のび「いや、シンオウは寒いから。」 ドラ「ありがとう!よし、じゃあ次は何処に行こうか…?僕としては……」 のび「うん、ぼくは海を渡ってポケモンリーグに行く。ドラえもんは……勝手にすればいいさ。」 数秒の沈黙が流れた。 ドラ「ぼくはずっと君について行くよ!君はまだ未熟なんだからね、人として。」 何を感じたのか、のび太の手は自然に拳を作っている。 ドラ「ポケモンリーグはねえ、ちょっと君には早……」 のび「……ドラえもんさあ、ぼくの行動に対して…その、頼みもしないのにうるさく言うのやめない? 親じゃあるまいしさ……ぼくもいい加減迷惑してるんだよ。」 ドラ「は……?」 のび太の言うことが全く理解できないドラえもん。 のび太の言葉は、高速船でドラえもんを攻撃してしまったことで芽生えた感情によるものだ。 何の迷いもなく、すぐそこまで迫った勝利をつかもうと早まったことをしてしまったのび太は、そのことで悩んだ。 そして、ドラえもんをこれ以上傷つけない為に別々の旅路を行こうと決めたのだ。 のび「じゃあね。」 のび太は、トリトドンを出し、ドラえもんを一瞥もせずに海に漕ぎ出した。 当然ドラえもんもビーダルで後を追う。 ドラ「待ってよのび太君!何かあったの?」 暗い海がのび太の心情をそのまま表しているようだった。 ポケモンリーグに上陸したのび太。 まだドラえもんは彼に追いついていない。ビーダルの方が素早さが高いが、乗っている人の体重の差だ。 のび太はドラえもんから逃げる形でここに来たのだが、その場に腰を下ろし、ドラえもんを待った。 到着したドラえもんを口で迎え撃つのだ。 程無くしてドラえもんが沈みかけたビーダルに掴まって上陸した。 ドラ「のび太君、何のつもり?水道に指定されていない海を渡るなんて、どれだけ危険か…」 のび「ここがポケモンリーグ。…少なくとも、シンオウ地方ではポケモンの最高機関……」 ドラえもんの話を遮ってのび太は話し始めた。 のび「ここに名を残すことは、トレーナーにとって最高の喜びだ。最高の……」 ヒードランが加わった自分の手持ちを眺めるのび太。 自分にとっての喜びのみならず、ポケモンにとってもそれは誇らしいことだと、そう感じているに違いない。 ドラ「君には早い。絶対に。」 きっぱりと殿堂入りの可能性を否定したドラえもん。 しかしのび太も退かなかった。 のび「この世界ではポケモンの実力が全てだ。」 ドラ「だから何だよ!まさか君はぼくより強いから四天王にも勝てるとか、そんなことを」 のび「うん、まさにそれだよ。」 のび太はまたドラえもんの話を遮った。自分の意見は自分で言う、とばかりに。 ポケモンリーグ、巨大な城に向かって歩き出すのび太。 ドラえもんがその前に立ちはだかる。 ドラ「リーグには行かせないよ。君はまだ幼い…未熟だ……」 のびたは意を決してドラえもんに攻撃を仕掛けた。エレブーのほうでんだ。 ドラえもんもその攻撃を受け止めるべくすぐさま自分のポケモン達を繰り出す。 が………その電撃を受けきったポケモンは一匹もいなかった。 ドラえもんのポケモン達は攻撃を受けた体勢のままピクリともしない。つまり戦闘不能ということだ。 ドラ「そんな……ほうでん一撃でロトムが…リーシャンが……」 のび太はため息を落とすと、エレブーを戻し口を開いた。 のび「少なくとも、ぼくは君に勝つことが出来る。ぼくが貰えなかったハクタイのジムバッジを手にした君に……」 ドラえもんはしきりに口をパクパクさせたが、声が出てこない。というより言い返す言葉が出てこない。 実際にはドラえもんはジムリーダーを脅すような方法でバッジを手に入れたのだから。 のび「ぼくは――自分で言うのも何だけど――強くなったんだ、トレーナーとして。」 自分で自分を称えるような言葉を並べ、それを噛みしめているのび太。 のび「だから……ぼくはリーグでも勝てないことはない。さっきも言ったみたいに、この世界ではポケモンの実力が全て。」 のび太は遠回しに言っているが、要約すると自分はドラえもんより強く、偉くなったと言っているのだ。 ドラえもんはのび太を怯えたような目つきで睨むと、ポケモンリーグに駆け込んだ。 それを見届けたのび太は今度は安堵のため息をつく。 のび「やっと追い払えた。全くドラえもんもつくづく馬鹿だなあ。 ドラえもんどころか、ぼくでもポケモンリーグで殿堂入りなんて出来る訳無いのに、そんなことも分からないのか。」 のび太は回れ右してチャンピオンロードへ足を進めた。 ドラえもんを追い払ったからには隠れる必要は無い。堂々とポケモン育成に励むのである。 少しでも四天王、チャンピオンに近づく為に…… ジャ「着地!」 ジャイアンはマスキッパに掴まり、ヨスガシティに戻ってきた。 今現在しずかもここにいるがジャイアンはそんなことは知らない。 ジャ「戻っちまったか…ノモセの親父に復讐するのは後回しになるけど、この町にもジムリーダーはいたっけな。」 昨日ジャイアンが訪ね、リーダー不在で追い返されたジムは開いていた。 ジャ「たのもぉぉ!!」 ドアを蹴破ったジャイアンは銅像のそばの男に目もくれず、上の階に進むリフトに乗った。 数回部屋を間違い、ジャイアンはリーダーの部屋に辿り着く。 ジムリーダーは穏やかにジャイアンを迎えた。 メリッサ「オマチシテマーシタ!!ワタシ、この町のジムリーダー!」 ジャ「ああ、外人もどきのジムリーダーか。」 メリ「エー…ワタシに、チャレンジしなさーい。アナタ。」 何とかジャイアンにも通じる言葉をメリッサは絞り出し、試合に入ることが出来た。 メリ「てこ調べです!ゴースト、イキなさーい!!」 ジャ「よーし、ドーミラーだ!」 エスパーがゴーストの毒タイプに有利だと言うことでドーミラーが選ばれた。 メリ「さいみんじゅつデース!」 早速眠らされたドーミラー。しかもゴーストはあくむをかけ、ドーミラーの体力が睡眠の合間に奪われていく。 ジャ「(焦るな。すぐ起きる。そしたらあの技を…)」 ドーミラーの体力が4分の1を切った頃、ジャイアンはその技を実行した。 ジャ「しんぴのまもり!!」 眠りが浅くなっていたドーミラーが驚いて目覚めた。 指示通りに状態異常から守る技を出すドーミラー。 もう一度眠らせようとしたゴーストのさいみんじゅつがそれによって阻まれる。 ジャ「隙が出来たッ。じんつうりきを出せ!」 まずは最初の一匹を慎重に倒したジャイアン。 続いてメリッサが場に放ったのは、このゲームで追加されたムウマの進化系。ムウマージ。 ジャイアンはさほど驚かず、また興味も示さなかった。 ジャ「ステルスロック!」 ドーミラーではこのポケモンは倒せないとジャイアンは悟ったらしい。補助技をかけている。 メリ「知っているのでーすか?ワタシの最後のポケモンを」 若干動揺した様子でムウマージにシャドーボールを打たせるメリッサ。 ドーミラーが倒れたがメリッサの持ち駒は既に2体。ジャイアン有利に変わりはない。 ジャ「シラネ。次!マスキッパ!」 ジャイアンの新たな仲間が早速ジム戦に駆り出された。 メリッサのムウマージはくろいまなざしでマスキッパを逃げ出せなくした。つまり交代が出来ないのだ。 ジャ「くろいまなざし?確か……」 急に考え込んだジャイアンの頭に浮かんだのは現実世界のとある日の空き地。 ジャイアンが最後のポケモン――バンギラスを出し、まだ余力を残している対戦相手のスネオに反撃を試みたときの話だ。 スネオは倒されたポケモンの代わりにルージュラを出し、先程のメリッサと同じ様にくろいまなざしをかけてきた。 それで………その結末は――― メリ「試合に集中しましょうネー?」 ジャイアンは慌てて思考をゲームに戻した。 そして思い出しかけた記憶と同時に突然湧き上がった不安を振り払い、マスキッパに怒鳴った。 ジャ「だましうちしろ!」 マスキッパがジャイアンに従順にムウマージを攻撃した。 その攻撃力を初めて見たジャイアンだったが、ムウマージが技の衝撃でふらつくのを見ると感心した。 ジャ「(こいつ、モウカザル達が進化するまでは役に立ちそうだ……)追撃だ!」 マスキッパが口を目一杯開いてムウマージに襲い掛かる。かみつくだ。 見事にムウマージの首を捉えたマスキッパ。 メリ「オーーウ……何とも痛々しい…痛いの痛いのー…飛んでけ!いたみわけデス!!」 バシッ!と鋭い音が響いた。ジャイアンは慌てて周りを見渡す。何も起きていない。 ジャ「良かった。攻撃を受けた訳じゃな……」 突然『浮遊』の特性を持つマスキッパが地面に落下した。 愕然とするジャイアン。 図鑑を見たところ、マスキッパの体力が急に半分以下まで落ち込んだようだ。 ジャ「いたみわけ……ってそんな技だったのか……?」 図鑑から顔を上げたジャイアン。メリッサはポケモンを交代し、 ジャイアンにとっては始めて見るポケモン、ユキメノコが姿を見せていた。 メリ「あなたも早くポケモンを交代したらいかがデス?」 ジャ「何だと!?」 メリ「マスキッパはもう瀕死デース。ムウマージの滅びの歌で天に召しました……」 床のマスキッパは再び浮き上がる気配がない。いや、それ以前に動かない。 ジャイアンは慌ててまた図鑑に目を落とす。 ついさっきまで半分近くまで伸びていた緑のライン―――マスキッパの体力を表すメーターは真っ白になっていた。 メリ「黒いまなざしで逃げないようにする、滅びの歌で体力を奪う……これがワタシがさっき使ったコンボデース。 ちなみーに、滅びの歌はアナタがボーッとしている時に使いました。試合に集中しましょうとワタシそう言いましたよ。」 ジャイアンはメリッサを睨みつけ、モウカザルを出した。 その途端ユキメノコが白く透き通るような吐息をモウカザルに浴びせ、動きを鈍らせた。 メリ「あいーてのすばやーさを下げるのは重要なテクニックデース。覚えておきましょーう。」 喋り方がますますゆったりとして説明口調になってきたメリッサ。 滅びの歌に対処できなかったジャイアンを見たメリッサは彼を初心者と勘違いしたらしい。 最も、ポケモンについてジャイアンはさほど知識があるわけではない。 ジャ「素早さなんて関係ねえ。先制技のマッハパンチだ!!」 モウカザルの腕は凄まじい速度でユキメノコをすり抜けた。 ジャ「しまった!ゴーストタイプだった!」 メリ「サイコキネシス!!」 強烈な念波が勢い良く転んだモウカザルに炸裂した。 ジャ「耐えろおおおお!!!」 何とかポケモンの気合を高めようとするジャイアン。ポケモンよりも無駄に大声を上げた自分の方が白熱していた。 それはともかく、何とかサイコキネシスに耐え切ったモウカザル。 ジャイアンの指示を受けてユキメノコに火炎放射で止めを刺した。 ジャ「ステルスロックでもともと体力不足だったな。あんたのユキメノコ。」 メリ「確かにそれはそうデースが……アナタは人の事、言えませーん。」 道連れを使われ、モウカザルもまた体力が尽きていた。 ジャ「分かってるよ!あんたのムウマージと俺のカブトプスが一騎打ちだって事ぐらいな。」 メリ「良く出来まーした。」 そう言うとメリッサは腰からムウマージのボールを抜いた。 ムウマージとカブトプスが対峙した。 ジャ「さっきの戦いとステルスロックのダメージを考えればあんたの方が不利だな。」 メリ「今の内に強気な発言をするのは自由デースが後で後悔しないよう、マージカルリーフ!!」 ムウマージの体の何処からか魔法のように綺麗な葉っぱが飛び出し、カブトプスを切り裂いた。 想像以上のダメージに慌てるジャイアン。 メリ「いかんせーんアナタ知識が足りません。」 ジャ「黙れ!どっちみちお前の負けだ!!辻斬りっ!」 邪悪な一撃をムウマージはすんでのところで避け損ねた――― バッジの所持数がようやく1に戻りジャイアンは町を出ようとしていた。しずかがこの町にいる事にもに気づかず。 そんなジャイアンを町の住人が呼び止める。 山男っぽい人「君君、良かったらさ、このポケモンをズイタウンの育てやさんに届けてくれない?」 ジャ「はぁ?」 タウンマップによればズイタウンはジャイアンの目的地――ノモセシティとは全く別の方向。 マキシの親父に復讐を、ともくろむジャイアンにとっては是非とも行きたくないルートだ。 ジャ「嫌だね。」 山男っぽい奴「そんなこと言わないでさ、お願いだよ。このポケモンをズイタウンの育てやさんに届けてくれない?」 ポケモンの世界のお馴染み、主人公が断ったら同じ質問を繰り返し、 嫌でも「はい」と言わせるゲームの住人の必殺技が炸裂した。 その質問が続く間は一歩も動けない。故にいつかは「はい」と言わないとフリーズよりむなしい無限ループが待っている。 ジャイアンは100回程断り続け、遂に折れた。 山男っぽい輩「おじさん、足痛めちゃったんだよ。頼んだね。」 ポケモンリーグ ドラ「ブビィ炎のパンチ!」 のび太から譲ってもらったブビィの炎技でドラえもんは 四天王、リョウのポケモン――コロトック、ガーメイル、ミノマダム(地)、ヘラクロス――を全滅させたところだった。 ドラ「よし、ブビィも進化したぞ。」 パーティが少しはましになったところでドラえもんは次の部屋へ急ぐ。 キクノ「おやまあ、色違いのビーダルが迷い込んできたよ。いい子だからこっちおいで。今ここから出して…」 ドラ「ビーダルじゃないっ!!1!行けビーダル!」 キク「トレーナーかえ?よしよし、見た目は気にする必要なんか無いでな。ウソッキー、相手してやんなさい。」 ビーダルとウソッキーがフィールドの端と端で睨み合った。 先に動いたのはウソッキー。 キク「けたぐり。」 ウソッキーが短い足で器用にビーダルを転ばした。 キク「ウッドハンマー!!」 ウソッキーだけの特権、石頭による無反動のウッドハンマーがビーダルを戦闘不能に追い込んだ。 ドラ「頼んだペラップ、ものまね!」 ペラップがウソッキーのウッドハンマーをコピーした。 そして、ウソッキーが何の準備も出来ずにいるうちにその技で反撃した。 キク「ウソッキーが倒されたら…ああ、もう駄目だね。私に勝ち目はない。」 そうキクノは呟き、残ったポケモンを全て出した。 ヌオー。ナマズン。ゴローニャ。成程ウッドハンマーが4倍のポケモンばかりだ。 ドラえもんは一礼してウッドハンマーで端からなぎ倒していった。 ビーダルの回復を済まし、早くもドラえもんはシンオウ四天王の三人目の部屋にいた。 競技場の真向かいに立っているのはだらしない格好で赤いアフロヘアーの 「オーバだ。以後よろしくな」 オーバと名乗る男は意外に快活な声でそう言った。 ドラ「四天王は名乗ったりしなくても同じだと思うけど……礼儀かな。」 ドラえもんは一応自己紹介をし、ブーバーを出した。 それを見たオーバが突然絶叫した。 オー「ブウウゥゥゥバァァァァ!!?きっ君!そのポケモンを何処で捕まえた?」 ドラえもんはオーバの激しい形相に怯みながら返答した。 ドラ「えっと、ハードマウンテンの辺りかと。」 それを聞いたオーバはまたしてもオーバリアクションで反応する。 オー「あそこかああああああ!!!くそう…こないだバクに頼んどけばよかった。」 ドラ「さっきから一体どうしたんですか?」 地面でのた打ち回っていたオーバは起き上がり簡単に理由を説明した。 彼が言うには、シンオウ地方には生息する炎ポケモンの種類が乏しく、 自分(オーバ)も炎ポケモンを専門としているが、数の少なさゆえにパーティの頭数も揃わないそうだ。 オー「見てくれよこのポケモン達。野生で手に入るのはポニータぐらいなんだ。」 オーバの手の平にはたった二つのモンスターボール。中にはギャロップと腰つきの魅力的なポケモンミミロップ。 ドラ「聞いたことあります。シンオウは寒いからなあ……でもガーディがどこかに生息しているんじゃ無かったっけ?」 オー「うほっガーディ!早速探してくるわ。ありがとなっ、ビーダル君。」 四天王という仕事をほっぽりだして部屋から駆け出したオーバ。 ドラえもんは一応迷う素振りを見せ、次の部屋に続く通路に入った。 メガネの怪しい男が本を読みながら挑戦者を待ち受けていた。 どうやらドラえもんは気付かれていない。 集中を乱すのは気が引けたので、こっそりドラえもんは背後に回り、本の内容を盗み見た。 『ポリゴンに関する考察』 ポリゴンとは1995年、ゲームフリークという会社が創り出した人工のポケモンである。 当時のポリゴンは体の表面すら安定せず、ポケモンとしての能力値は決して高いものではなかった。 が、それから長い年月に渡って研究が続けられ、1999年には アップグレードによって大幅な小型化・軽量化を果たしたポリゴン2が誕生した。 その時、多くの科学者はポリゴンが完成したことを悟った。 だが、とある場所ではポリゴンの研究が未だ続けられているという。 目的は「戦闘において強いポリゴンを作ること」 この研究によって最近、新たな発見があった。 それは「ポリゴンに人のような閃きを持たせることが出来れば、特殊攻撃力が格段に上昇する」という事だった。 人工のロボットなどに閃きの可能性を与えるのは容易ではない。 だが、この発見をした研究所はこの研究について既に何らかの成果を挙げているという。 ポリゴンをポリゴン2に進化させる為に作られたアップグレードの様な道具が完成しているというのだ。 閃きをポリゴンに与える方法は不明だが、無理にそんな事をプログラミングしたら確実にポリゴンが狂う事になる。 道具の形、色、正式名称などこそはっきりとは明かされてはいないものの、 この結果は近々ポケモン学会に衝撃を与えるものとされている。 読み終わったドラえもんにゴヨウが気付く。 ゴヨウ「おや?挑戦者君かい?」 ゴヨウがトップバッターのフーディンを繰り出すのをドラえもんは先に見て、それからゴーストタイプのロトムを出した。 ドラ「(四天王最後のトレーナーだ。慎重に行こう。)怪しい風だロトム!」 先制されて一撃を受けること前提で放った攻撃はフーディンを直撃し、早々と戦闘不能に追い込んだ。 ドラ「あれ?フーディンはロトムより速いと思ったんだけどな…」 ドラえもんはボンヤリとそんなことを考えていたが、 ゴヨウの二番手キリンリキが高速移動を積むのを見て我に帰り、慌てて無効化しようとロトムに電磁波を命じた。 ドラえもんの指示が聞こえなかったのか、怪しい風を出すロトム。 当然の事ながらノーマルタイプのキリンリキには全く効かない。 ドラ「ロトムしっかりしろ!電磁波だッ、電磁……まさか!」 ドラえもんがロトムのステータス画面を確認すると嫌な予想が当たっていた。 ゴヨ「怪しい風がフーディンに放たれる前にトリックを使ったのさ。 こっちの持ち物は無くなったけど、君のロトムにはこだわりメガネを持たせてあげたよ。」 フーディンにロトムが先制した理由、ロトムが命令に背いた理由がこれで分かった。 ドラえもんは苦々しい思いでロトムを控えポケモンにし、代わりにペラップを出す。 ゴヨ「高速移動をさせたのが運の尽きだ。噛み砕く!!」 キリンリキが恐ろしいスピードでペラップに食らいついた。 その痛みにペラップも録音したドラえもんの声で悲鳴を上げる。 ゴヨ「このまま抵抗されなければサイコキネシスでそのまま瀕死に持ち込める……」 わざとらしいゴヨウの独り言にドラえもんは過敏に反応した。 ドラ「フェ、フェザーダンス!」 ペラップは噛み付かれたまま羽根を撒き散らした。 キリンリキの攻撃力が半分まで落ち込み、緩んだ顎をこじ開けてペラップも何とか脱出に成功した。 ドラ「勝負はこれから!オウム返しだペラップ。」 ペラップがキリンリキの噛み砕くをそっくりそのまま相手に返した。 何処から出てきたのやらペラップの鋭い牙がキリンリキを貫く。 ゴヨ「そうそう、いい感じだ…パワースワップ。」 キリンリキとペラップの間に不思議な色の糸のようなものが一瞬繋がり、消え去った。 ゴヨ「技の解説をしよう。パワースワップは自分と相手の攻撃・特攻の能力変化を入れ替える技。 余り知られていないけど、覚えさせて損はない。」 ドラえもんはゴヨウの言った事の意味を考える。 ペラップがフェザーダンスを使い、キリンリキの攻撃を半分まで下げた。だけどそれをパワースワップされたから…… ドラ「逃げろペラップ!!」 ドラえもんの警告は一瞬遅かった。 キリンリキが首の一振りで嘴の力が弱ったペラップを地面に叩きつけ、踏みつける。 ドラ「ペラップから離れろ!この野郎!お喋りするんだァ!」 意味不明な言葉でペラップが喚くとキリンリキは混乱でふらつき、ペラップが自由になった。 ドラ「今だ!大音量のお喋り!」 ペラップが渾身の力で止めを刺そうとすると、今度は技が全く当たらない。 キリンリキの不可解な動きによって全て回避されている。 ゴヨ「補助技をもう少し覚える必要があるね、君。キリンリキが君に気付かれないように使ったのはスキルスワップ。 特性を入れ替える技さ。君のペラップの『千鳥足』の特性を借りることにしたんだ。 ……さて!瞑想も済んだし、最後のポケモンに交代するとしよう。バトンタッチ!」 ゴヨウがボールを投げた。 ドラえもんにとっては拍子抜けだったが、ボールからバリヤードが姿を現した。 ゴヨ「ペラップなんか瞬殺さ。往復ビンタ!」 張り手の猛攻でペラップが墜落した。 ドラ「ビーダル頼む!波乗り!!」 ビーダルの作り出した高波がバリヤードに向かう。 ゴヨ「光の壁。力押しは時に無意味になる。覚えておくと良い。」 瞑想で特殊防御が上がっていたバリヤードだが、わざわざ光の壁を使い、波乗りを完全にシャットダウンした。 ゴヨ「本当の波乗りを見せてあげよう。まねっこ!!」 いましがたバリヤードを襲っていた物が方向を変えたようにビーダルに向かっていく。 元々特攻が高いバリヤードをバトンタッチで引き継いだ瞑想が後押しし、波はとてつもなく高くなっていた。 ドラ「避けろビーダルッ!」 ドラえもんの叫びもむなしく、ビーダルは断末魔の叫びすら残さず波に埋もれた。 しかもその波はまだ物を飲み込み足りないとばかりにドラえもんに向かってくる。 ドラ「うわあああああああああ!!!」 叫ぶだけ叫び、ドラえもんもまた水圧の餌食。 波にもまれ、叩かれ、潰され、ドラえもんとビーダルは仲良く部屋の端まで流され、 数分前にくぐった扉に思いっきり背中をぶつけ――― 次へ
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楽曲 納豆隊 納豆体操(なっとうたいそう)とは、納豆隊が布教している体操である。 概要 食べれば元気が出て頭もよくなる納豆を食べてもらう事を目的に作られた。これを踊れば納豆が嫌いな人も納豆が大好きになるらしい。 「顕正会ドラえもんショー」前編でゲスト出演した際にドラえもん達と共に披露した。 スイス民謡「おおブレネリ」の替え歌。 歌詞 チャチャチャンチャンチャンチャンチャン せーの朝から納豆醤油かけて長ネギ刻んでカラシぬっておまけに卵を割って入れるナアアァァァァァァァァッ...トォォォォォォォォォ...ハァイ!ねーばねっばっば納豆ねーばねっばっば納豆ねーばねっばっば納豆ねーばねっばっばナアアァァァァァァァァッ...トォォォォォォォォォ...ハァイ!ねーばねっばっば納豆ねーばねっばっば納豆ねーばーねーばーばなっとっと 振付 前半は基本的に納豆に醤油や長ネギなどのトッピングを加えるまでの流れをイメージした動きになっている。後半サビに差し掛かると、テンポアップと同時に納豆を勢いよくかき混ぜ、糸を引く様子をダイナミックに表現した振付に切り替わる。 詳しく覚えてマスターしたい人は本編動画を参照。 なお、納豆隊と初対面であるはずのジャイアンとスネ夫もなぜか振付を知っていた。 余談 歌詞などの内容は微妙に異なるが、実際に一部の幼稚園・保育園の間でこの「納豆体操」を踊っている例も存在するらしい。この事から顕正会のオリジナルではないと思われるが詳細は不明。 茨城県のゆるキャラ「ねば〜る君」が広めている「なっとう体操」とは無関係である。
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ドラえもん1/ ドラえもん2 / ドラえもん3 / ドラえもん4 / ドラえもん5 / ドラえもん6 / ドラえもん7 / ドラえもん8 「ドラえもん第1巻」藤子・F・不二雄大全集 てんコミ未収録作品は14本!最終回2本! <1959~61年度生まれの学年誌掲載集>計59話 ●発刊記念特別定価1,470円(税込)2009年12月末日まで以降定価1,890円(税込) ●A5判/782ページ 2009年7月24日発売 ●てんとう虫コミックス(+プラス+カラー作品集)の未収録作品は予告を含む計14話「新連載の予告」「けんかマシン」「机からとび出したドラえもん」「愛妻ジャイ子!?」「のび太が強くなる」「ロボット福の神」「のぞきお化け」「ドラえもん未来へ帰る」「やきゅうそうどう」「オーケーマイク」「まんが家」「ドラえもんの歌」「ドラえもんがいなくなっちゃう!?」「再開の予告」 ●巻頭と巻末企画では、当事の時代背景が分かる貴重な資料を収録。大全集の名にふさわしく読み応えのあるものになっている口絵(カラーイラスト)4枚初出掲載誌リスト特別資料室あとがきにかえて「ドラえもんとわたし」藤子・F・不二雄解説 鴻上尚史 収録作品<1959~61年度生まれの学年誌掲載集>計59話 1959年度生まれの小学生が読んだ「ドラえもん」 1 ★新連載の予告 小四 69年12月号 × × × × × × 2 未来の国からはるばると 小四 70年01月号 第1巻 × SFの世界1 第1巻 × × 3 ドラえもんの大予言 小四 70年02月号 第1巻 × × 第1巻 × × 4 けんかマシン 小四 70年03月号 × × × 第1巻 × × 1960年度生まれの小学生が読んだ「ドラえもん」 5 机からとび出したドラえもん 小三 70年01月号 × × × 第1巻 × × でてくる人*巻末企画 特別資料室 小三 70年01月号 × × × × × × 6 愛妻ジャイ子!? 小三 70年02月号 × × × ひみつ500大探検 × × 野比のび太の子そん*巻末企画 特別資料室 小三 70年02月号 × × × × × × 7 のび太が強くなる 小三 70年03月号 × × × ひみつ500大探検PartⅡ × × 8 おいかけテレビ 小四 70年04月号 プラス1 × × 第1巻 × × 9 (秘)スパイ大作戦 小四 70年05月号 第1巻 × × 第1巻 スネ夫編 × 10 白ゆりのような女の子 小四 70年06月号 第3巻 × SFの世界1 第1巻 パパ・ママ編 × 11 ロボット福の神 小四 70年07月号 × × × 第1巻 × × 12 のぞきお化け 小四 70年08月号 × × × 第3巻 × × 13 ああ、好き、好き、好き! 小四 70年09月号 第3巻 × × 第3巻ああ 好き 好き 好き × × 14 ペコペコバッタ 小四 70年10月号 第1巻ぺこぺこバッタ(初期てんコミ) × 風刺の世界1 第3巻 × × 15 わすれとんかち 小四 70年11月号 第5巻 × × 第3巻わすれトンカチ 爆笑編 × 16 タイムふろしき 小四 70年12月号 第2巻 × × 第3巻 爆笑編 × 17 のび左エ門の秘宝 小四 71年01月号 第4巻 × × 第7巻 むかし話編 × 18 好きでたまらニャい 小四 71年02月号 第7巻 × × 第16巻 恋愛編 × 19 ★最終回 1 ドラえもん未来へ帰る 小四 71年03月号 × × × × × × 1961年度生まれの小学生が読んだ「ドラえもん」 20 未来から来たドラえもん 小二 70年01月号 カラー作品集5 × × 第1巻 × 第1巻未来からきたドラえもん 21 ★やきゅうそうどう 小二 70年02月号 × × × × × × 22 ★オーケーマイク 小二 70年03月号 × × × × × × 23 ★まんが家 小三 70年04月号 × × × × × × 24 恐竜ハンター 小三 70年05月号 第2巻 × × 第2巻 恐龍ハンター 恐竜編 × 25 ご先祖さまがんばれ 小三 70年06月号 第1巻 × × 第2巻 むかし話編 × 26 古道具競争 小三 70年07月号 第1巻古道具きょう争 × × 第2巻 パニック編 × 27 ソーナルじょう 小三 70年08月号 第3巻ソウナルじょう × × 第5巻 × × 28 うつつまくら 小三 70年09月号 第5巻 × × 第2巻 恐怖編 × 29 のろいのカメラ 小三 70年10月号 第4巻 × ナンセンスの世界2 第5巻 恐怖編 × 30 おばあちゃんのおもいで 小三 70年11月号 第4巻 × SFの世界1 第5巻おばあちゃんの思い出 むかし話編 × 31 エスパーぼうし 小三 70年12月号 第7巻 × × 第3巻エスパー帽子 爆笑編 × 32 手足七本目が三つ 小三 71年01月号 第7巻ねこの手もかりたい(増刷てんコミ) × × 第4巻手足7本目が3つ × × ドラえもんのおとしだま*巻末企画 特別資料室 小三 71年01月号 × × × × × × 33 ドラえもんだらけ 小三 71年02月号 第5巻 × × 第7巻 パニック編 × 34 のろのろ、じたばた 小三 71年03月号 第5巻 × SFの世界2 第11巻のろのろジタバタ 爆笑編 × 35 タイムマシンで犯人を 小四 71年04月号 第15巻 × × 第16巻 × × 36 うそつきかがみ 小四 71年05月号 第2巻 × 風刺の世界1 第4巻 × × 37 あやうし!ライオン仮面 小四 71年06月号 第3巻 × SFの世界1 第4巻 × × 38 かげがり 小四 71年07月号 第1巻 × SFの世界1 第6巻 恐怖編 × 39 アリガターヤ 小四 71年08月号 プラス3 × × 第4巻 × × 40 ロボ子が愛してる 小四 71年09月号 第2巻 × × 第5巻 ロボット編 × 41 ドラえもんの歌 小四 71年10月号 × × × 第1巻 × × 42 プロポーズ作戦 小四 71年11月号 第1巻 × × 第3巻 恋愛編 × 43 夜の世界の王さまだ 小四 71年12月号 第6巻夜の世界の王さまだ! × 風刺の世界1 第5巻 × × 44 勉強べやの大なだれ 小四 72年01月号 第2巻 × × 第6巻勉強部屋の大なだれ パニック編 × 45 のび太のおよめさん 小四 72年02月号 第6巻 × SFの世界1 第6巻 恋愛編 × 46 ★最終回 2 ドラえもんがいなくなっちゃう!? 小四 72年03月号 × × × × × × 47 ★再開の予告 小五 73年03月号 × × × × × × 48 石ころぼうし 小六 73年04月号 第4巻 × SFの世界1 第11巻石ころ帽子 恐怖編 × 49 してない貯金を使う法 小六 73年05月号 第4巻 × × 第9巻 エスプリ編 × 50 N・Sワッペン 小六 73年06月号 第2巻 × ナンセンスの世界1 第9巻 爆笑編 第18巻 51 ママのダイヤを盗み出せ 小六 73年07月号 第7巻 × × 第10巻 パパ・ママ編 × 52 珍加羅峠の宝物 小六 73年08月号 第15巻 × × 第14巻 × × 53 怪談ランプ 小六 73年09月号 第2巻 × ナンセンスの世界1 第5巻 × × 54 月給騒動 小六 73年10月号 プラス2 × × 第2巻 × × 55 未来からの買いもの 小六 73年11月号 第7巻 × × 第9巻未来からの買い物 エスプリ編 第15巻 56 一生に一度は百点を… 小六 73年12月号 第1巻 × × 第4巻一生に一度は百点を 0点・家出編 × 57 いやなお客の帰し方 小六 74年01月号 第11巻 × × 第15巻嫌なお客の帰し方 × × 58 出さない手紙の返事をもらう方法 小六 74年02月号 第2巻 × SFの世界1 第8巻 × × 59 ユメコーダー 小六 74年03月号 プラス5 第3巻 × 第2巻 × × タイトル 掲載誌 てんコミ カラコミ 自選集 FFランド 文庫 ぴかコミ ★は初めて単行本に収録される作品です。 巻末企画 初出掲載リスト タイトルごとに、加筆修正の有無や、画稿欠落のため印刷物複写となったページを記録している 特別資料室 「でてくる人」(小三 70年01月号)登場人物紹介 「野比のび太の子そん」(小三 70年02月号)家系図 「ドラえもんのおとしだま」(小三 71年01月号)2p漫画 「小学四年生初出扉」(小四 70年01月号)大全集第1巻のカバー表紙の原画にも あとがきにかえて 「ドラえもんとわたし」藤子・F・不二雄 コロコロコミック創刊号(1977年5月15日号)より ▲上に戻る 過去の収録コミックス てんとう虫コミックス 小学館コロコロ文庫 ぴっかぴかコミックス 藤子不二雄ランド ▲上に戻る 最初は連載期間が不規則で、6年間と決まっていなかった。1巻はその当時をまとめて3世代分収録している 1959年度生まれが読んだ「ドラえもん」小四 69年12月号~70年03月号 一番早くドラえもんに対面した。連載は五年生に続かず3ヵ月で終了 1960年度生まれの小学生が読んだ「ドラえもん」小三 70年01月号~70年03月号小四 70年04月号~71年03月号 連載期間は1年3ヵ月。一番初めに「ドラえもん最終回」を読んだ 1961年度生まれの小学生が読んだ「ドラえもん」小二 70年01月号~70年03月号小三 70年04月号~71年03月号小四 71年04月号~72年03月号小五 73年03月号小六 73年04月号~74年03月号 四年生で一度最終回を迎えつつも、六年生から再開 ▲上に戻る ▲上に戻る
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▽タグ一覧 Youtube Youtuber ぬいぐるみ アンパンマン スイカ ドラえもん 子供向け 車 音MAD素材 鬼滅の刃 ニコニコで【おもしろアニメーション】タグを検索する ニコニコで【Omoshiro_Animation】タグを検索する 概要 YouTubeに存在する子供向け動画チャンネル。
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,. -――‐- ._ ,. '´ /⌒ヽ /⌒ヽ `ヽ / ! o l_!o ! ヽ.. / ,. ‐へ_,ノ-ヽ__ノ‐、 ヘ ,' / ``'''ー- ゙、_,ノ -‐''" ヽ ', ! l  ̄ ̄_ | _ ̄ ̄ l | l l ‐弋´ | `~フー ! l. ', ', >-、_ | _,. -'" / / VV { )  ̄ / / ヽ/ `ー'_____,// / /--/⌒ヽ----┘、 l / ヒΤフ ヽ \ 仮 新宿のメカニック。戦車の魔改造を依頼される。
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「ドラえもうん!」 日曜日の昼下がり、野比家に情けない泣き声が響いた。 声の主は玄関を乱暴に閉め、ばたばたと廊下を走り、 二階へと繋がる階段を上って来る。 「やれやれ」 ドラえもんは溜め息をついた。泣きながら部屋の襖を開けたのは、 ドラえもんの予想通りのび太だったからだ。 「今日はどうしたんだい。ジャイアンに殴られた? スネ夫に馬鹿にされた? それともしずかちゃんに嫌われた?」 ドラえもんはこういう状況には慣れている。何故なら日常茶飯事だからだ。 しかし、のび太は首を横に振り、 「全部はずれ!」 ドラえもんの言葉を否定し、捲し立てる。 「ポケモンのダイパを持ってないからジャイアンたちに馬鹿にされたんだよう!」 「ジャイアンたちってことはスネ夫もってことだ。だったらはずれじゃないよね」 ドラえもんが珍しく食い下がった。はずれと否定されたのが悔しかったのだろう。 「そんなことどうでもいいよ! お願いだよ、ドラえもん。ダイパを出して!」 しかし、 「それは無理だ。ぼくは出せないよ」 ドラえもんは即答した。 「そんなあ……」 のび太は、ガクリとうなだれたが、 ふと、なにかを思い付いたらしく、ゆっくりと喋り出す。 「ああ……これじゃあ、ぼくだけじゃなくて ドラえもんまで馬鹿にされちゃうだろうなあ」 「なんだって!」 「スネ夫あたりが『ゲームのひとつも出せないなんて役立たずなロボットだな』 とか言ってくるだろうなあ」 これが赤点キング・のび太の作戦だった。 「でも仕方ないよね。出せないものはしょうがないもんね」 (ここまで言えばドラえもんは釣られてくれる……) ドラえもんは仮にも未来から来たネコ型ロボット、そのプライドは低くはない。 「ぐぬぬぬぬ……」 「それじゃあ、ぼくは空き地に行って来るよ。じゃあね、ドラえもん」 のび太が追い討ちをかけた。すると、 「のび太くん、待った!」 (よし、かかった!) のび太は心の中でガッツポーズをした。 「なに? もしかして……」 のび太がドラえもんのほうへ僅かな期待とともに向き直る。しかし、 「空き地に行ったらみんなを呼んでおいで」 ドラえもんの言葉はのび太の期待を見事に裏切った。 「ええ、なんで?」 「いいから呼ぶんだ。そうそう、ダイパを持って来るように言っておいてね」 ますますわけが分からなくなったのび太だったが、取り敢えず空き地へ向かった。 数分後、 「ただいまあ、連れて来たよ」 のび太は四人の子供を連れて部屋に戻って来た。 「ほら、ダイパ。ちゃんと持って来たよ」 そのうちのひとり、スネ夫がこれみよがしにゲームを見せ、 「ドラえもん、今日はなにをするつもりなんだ?」 ジャイアンがドラえもんに尋ねた。 「よくぞ聞いてくれました!」 ドラえもんは四次元ポケットを漁り始め、そこから小さな機械を出した。 テケテケン♪ 「ゲームワールド!」 「ドラちゃん、それはなに?」 しずかが尋ねた。 「よくぞ聞いてくれました!」 ドラえもんの言葉にデジャビュを感じずにはいられない五人だったが、 黙って耳を傾ける。 「これはね、ここにゲームを差し込むとゲームの世界に入れる道具なんだ」 五人はそれを理解するのに少し時間がかかったが、 意味が分かると嬉しそうに目を輝かせた。 「すごいだろ?」 ドラえもんは得意気だ。 「それじゃあ、説明書を読むよ。ええと……ポケモンダイパは928Pだな……」 今度は分厚い本を取り出した。ゲームワールドの説明書らしい。 「あったあった。ええと…… “このゲームは最大十二人までが楽しむことが出来ます。 差し込むソフトはひとつで構いません。 ゲームの世界での一日は現実の世界での二十四秒程度です。 だれかひとりがバッジを八つ集め、ポケモンリーグに挑戦し、 見事チャンピオンとなればゲーム終了です” ……というわけだからスネ夫、ダイパを貸して」 「あっ、うん……はい、ドラえもん」 スネ夫がダイパをドラえもんに手渡す。 「ありがとう。それじゃあ、準備はいいかな? それではダイパの世界へ……」 「ちょっと待った!」 待ったをかけたのはのび太。 「なんだよ、のび太。トイレか?」 ジャイアンが苛立ちながら言った。早くゲームがしたいようだ。 「ぼくとしずかちゃんはダイパをやったことがないんだよ? これって不利じゃないかなあ」 「今更なにを言ってんだよ」 今度はスネ夫が言った。 「みんなだって一回クリアしたゲームをまたやったって面白くないんじゃない?」 のび太にしては尤もな意見だ。 「なるほど、確かに一理あるね」 出木杉もそれに賛同した。 「しょうがないなあ、分かったよ」 ドラえもんが機械を弄り出した。 「なにしてるの?」 「時間設定をクリア後に変えるんだ」 しずかの問いにドラえもんが答え、 「時間設定をクリア後に変える?」 のび太が聞き返した。 「そう、これでこのダイパは主人公が殿堂入りして三年たったあとの世界になるよ」 ドラえもんの説明が理解できず、呆然とする五人。 「ああ、主人公っていうのはきみたちじゃなくて…… そう、ゲームのひとりの登場人物として捉えてくれればいい。 きみたちはその主人公が殿堂入りしてからの世界を冒険するんだよ」 「それならゲームのイベントはどうなるんだ?」 ジャイアンが即座に尋ねた。 「さあね……ぼくにも未知の世界なんだ。そっちのほうが楽しみだろ?」 五人の中で首を縦に振らない者はいなかった。 「よし、それじゃあ今度こそ準備はいいかな? それではダイパの世界へ……レッツゴー!」 ドラえもんが言ったと同時に、六人は不思議な感覚に襲われた。 ここは フタバタウン わかばが いぶく ばしょ 「みんな無事に着いたみたいだね」 ドラえもんが人数を確認しながら言う。 「すっげえ! これがダイパの世界か!」 ジャイアンが大声を上げた。 とてもゲームとは思えないほどのリアルさに他の四人もざわざわと騒ぎ出す。 「それじゃあ、今からポケッチとポケモン図鑑とタウンマップとひでんマシンと パートナーのポケモンを配るよ」 「そんなに?」 スネ夫が驚いて聞き返した。 「うん。ポケッチのアプリ、ひでんマシンは全種類が揃ってるよ。 とは言ってもバッジを手に入れなきゃ使えないけどね。はい、どうぞ」 ドラえもんが五人に各種アイテムを配り始める。 ここは殿堂入り後の世界。 五人はポケッチやポケモン図鑑などは手に入れることができないのだ。 「みんなに配られたね。それじゃあお待ちかねの……」 ドラえもんは五つのモンスターボールをポケットから取り出した。 「パートナーになるポケモンを配るよ!」 五人から歓声が沸き起こる。 「アイウエオ順だから……まずはジャイアンだね。どうぞ」 ジャイアンが五つのボールのうち、ひとつを選んだ。 ぽんっ! ジャイアンがボールを投げた。現れたのは、 「グレッグルか!」 ジャイアンが嬉しそうに言う。 「おれ、ゲームでも使ってたんだよ! こいつ」 「よしよし。じゃあ次は――」 こうして、出木杉はリオル、のび太はビッパ、スネ夫はスコルピ、 そしてしずかはミミロルを手に入れた。 「ビッパって……」 のび太は嘆いた。 ビッパのことなら知っている。知っているから嘆いたのだ。 ジャイアンとスネ夫はそんなのび太を笑っている。 「ビッパなんてその辺の草むらにいるじゃねえか!」 「まぬけなのび太にはお似合いだね!」 二人はそう言うと、さらにボリュームを上げて笑い続ける。 出木杉は気の毒そうにのび太を見ている。 しずかはのび太さんのポケモンも可愛いわよ、などとフォローしている。 「はいはい」 ドラえもんが手を鳴らして五人の注意をこちらに向けさせた。 「それじゃあいいかな? そろそろ旅に出なきゃ」 「あっ、そう言えば」 のび太がドラえもんに尋ねる。 「ドラえもんは旅をしないの?」 「うん。ぼくはゲームを見守る役なんだ。タケコプターでパトロールするんだよ」 それを聞いて、のび太は少し残念そうな顔をした。 「ああ、そうそう。ポケッチのアプリに電話っていうのがあるよね?」 ドラえもんの言葉に五人は腕にはめたポケッチを見た。 「その機能でぼくはきみたちに、きみたちはぼくに電話をかけれるから なにかあったら連絡してね」 五人は頷いた。 「これくらいかな。……それじゃあ、みんな」 ドラえもんは大きな声で、はっきりと言った。 「いってらっしゃい!」 201ばんどうろ 草むらを掻き分けて、二人の少年が進む。 「おい、スネ夫! 早く来ねえと置いてくぞ!」 「待ってよ、ジャイアン!」 ジャイアンとスネ夫、現実世界でもこの二人はいつも一緒にいた。 ジャイアンはスネ夫を子分として扱い、 スネ夫はジャイアンを虎の威を借る狐の如く利用しているだけではあったが、 二人はやはりこちらの世界でも一緒に行動している。 「スネ夫、町が見えたぞ! ええと、なんて言う町だっけ……」 「マサゴタウンだよ、ジャイアン」 それも一種の友情なのかもしれない。 とにかくも二人はいち早くマサゴタウンへ辿り着いたのだった。 「のび太さん、わたしたちは急がずにゆっくり行きましょうね」 「そうだね、しずかちゃん」 のび太としずかは主人公とヒロインらしく、二人で行動している。 (わたし、のび太さんと二人で大丈夫かしら……) (しずかちゃん……やっぱり可愛いなあ) しずかはただ単に自分ひとりだけでは不安であることや、 のび太をひとりにしておくのも不安であることなど、 諸々の理由によってのび太と一緒に行動しているのだが、 のび太には下心がありまくりである。 もしこの場にいたら、ドラえもんは泣いていたに違いない。 「そういえば」 しずかが口を開く。 「出木杉さんはどこに行ったのかしら」 出木杉はドラえもんの言葉が終わるとすぐに駆け出して行ったのだ。 「……さあね。もう次の町についてるのかもよ」 のび太が素っ気なく答えた。 のび太は出木杉に好感を抱いてはいない。 なんでもできる出木杉を見ていると、 なんにもできない自分が惨めに思えて来るからだ。 「そうかしら……」 しずかは首を傾げる。 すると、 「うわっ!」 のび太が声を上げ、 「えっ……きゃあっ!」 野生のムックルが二羽、突っ込んで来た。 二人はその出来事に戸惑いながらも、ボールを投げる。 「行け、ビッパ!」 「がんばって、ミミロル!」 この世界に来てから初のバトル、 しかも主人公・のび太とヒロイン・しずかのタッグバトルが始まった。 「ビッパ、たいあたり!」 「ミミロル、はたく!」 ビッパのたいあたりとミミロルのはたくが、それぞれムックルたちにヒットする。 ムックルたちは怒ったのかビッパを攻撃する。 ハクタイのもりにしか生息しないミミロルより、 そこらにいるビッパを狙うのも当然だろう。 「くそっ、まるくなる!」 鈍いビッパにムックルの攻撃を避けるのは無理、 ならば防御力を上げて少しでもダメージを減らすしかない。 丸くなるビッパとそれを集中攻撃するムックルたち。 その光景は亀を苛める子どもたちを彷彿とさせた。 「ミミロル、はたくよ!」 突然、しずかの声がして片方のムックルは戦闘不能になった。 もう片方のムックルはミミロルの攻撃に戸惑い、 「ビッパ、たいあたりだ!」 のび太のビッパのたいあたりを急所に食らい、倒れた。 「……あっけなかったね」 のび太が呟いた。 「あら、のび太さんのおかげだわ」 「へっ?」 しずかの言葉にのび太が素頓狂な声を出した。 「のび太さん、ビッパを囮にしたんでしょう? あれがなかったら駄目だったかもしれないもの」 しずかは壮大な勘違いをしてしまった。 「ま、まあ全部ぼくの計画通りだけどね! あはは……」 のび太が虚勢を張る横で、ビッパは円らな瞳でのび太を見つめていた。 このさき シンジこ きもちを あらわす みずうみ 湖が太陽の光できらきらと輝く。 出木杉はひとりの老人と一緒に湖を眺めている。 出木杉はだれよりも早くそこに着いた。 尤も、出木杉以外はだれひとりとしてそこへは向かわなかったのだが。 シンジこはゲームでは初めてのポケモンを手に入れる場所であるので、 この世界に於いて五人にはおおよそ無縁であるはずの場所だった。 「少年よ」 老人が出木杉に声を掛けた。 「きみはなにをしているのかね」 「……この湖には感情を司る神、エムリットがいますよね」 老人は少し驚き、出木杉の言葉に耳を傾ける。 「ぼくはそのポケモンに興味がありました。……もうここにはいないようですけど」 「少年よ」 出木杉が言い終わるのと同時に老人は言う。 「きみの名は?」 「出木杉です」 「デキスギか……。わたしはナナカマドだ」 「知っています」 出木杉は冷静だった。 ナナカマドは無表情のまま続ける。 「デキスギ、マサゴタウンのわたしの研究所に来なさい。 きみにいいものを見せよう」 出木杉は頷いて、ナナカマドに着いて歩き出した。 ここは マサゴタウン うみにつながる すなのまち のび太としずかが到着したとき、 「なんだね、きみは? 部外者の子どもは出て行きなさい!」 その言葉と共に、ジャイアンがマサゴタウンの研究所から追い出されていた。 「もう、ジャイアン。だから言ったじゃないか」 「どうしたの?」 しずかが尋ねた。 「ああ、しずかちゃんにのび太か。ジャイアンが研究所に入ろうとしたんだよ」 「なんでだよ、なんで入れてくれねえんだよ!」 ジャイアンは腹を立てているようだ。 「だってジャイアン、ぼくたちはただの子どもだよ? 主人公だったら博士と面識があるし、研究所に来るように言われてたけど、 ぼくたちは博士に会ってすらいないんだから」 スネ夫が続ける。 「それにぼくたち、ポケモンもポケモン図鑑も持ってるから、 研究所に用はないんだよ」 「あっ、確かにそうだな」 ジャイアンはやっと納得したらしい。 「だったらさっさとコトブキシティ行くぞ!」 「……そういう訳だから。じゃあね、二人とも」 我が侭ジャイアンと苦労人スネ夫は去って行った。 「スネ夫も大変だなあ……」 のび太がぼそりと呟いた。 のび太としずかはポケモンセンターに行き、 少し休んでから202ばんどうろに行くことにした。 二人がポケモンセンターに入ったとき、 丁度、出木杉とナナカマドはマサゴタウンに到着した。 「いいんですか? ここまでしてもらって」 「気にするな。わたしはきみが気に入ったんだ」 誤解を招きそうな台詞である。 「さあ、着いたぞ。わたしの研究所はここだ。入りたまえ」 「失礼します」 出木杉はナナカマドの研究所に入って行った。 そして数十分後、出木杉は研究所から出て来た。 「意外と……言ってみるものだね……」 出木杉の呟きは青い空に吸い込まれて行った。 次へ
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10月3日 放課後は空き地で対戦した。 最初はジャイアンとだった。 もちろん負けて僕のディアルガはジャイアンのものとなってしまった。 「悔しかったらリベンジするこったなぁwww」 くそぅ……今度は絶対勝ってやる 今日もスネオの行動はおかしかった。 何故か特性が不思議な守りのミカルゲを出したのだ。 お陰でドラえもんは負けてしまった。 ドラえもんは「糞ォ!あのリーゼントもどきがぁぁああああ」 と言っていた。 今日からポケモンを育てよう 10月6日 この頃ドラえもんはポケモンをしている時間が長くなっていた。 時折、 「フヒヒヒヒヒヒヒ……遂に3Vgが来た……」 等と怪しい言葉を呟いている。 一方僕はあることを試していた。 昨日スネオに教えてもらったんだ。 四天王の最初の扉に向かって波乗りした後 (中略) …とすると伝説のポケモン「アルセウス」が手に入ると言うのだ。 今日はポケモンを育てることに専念し、その裏技は今度やることにする。 10月8日 雨 明日はジャイアンにリベンジする。 僕のディアルガを返してもらうためだ。 ドラえもんは今日もずっとDSに向かって独り言を呟いている。 少し心配になった。 と言う事で明日戦うポケモンを書き記すことにしてみる ドダイドス(通称うえきばち ナエトルの名前を植木鉢にして後悔してる) ルカリオ(通称イチ 犬に似ていたので昔を思い出してイチにしてみた) 後一匹は「アルセウス」ってポケモンにしようと思う。 今から挑戦しよう。 10月9日 晴れ なんていうか……全部終わった。 スネオに聞いたら 「やっぱりデマだったか……」 と一言言っただけだった。 いつか殺してやる 10月11日 曇りのち晴れ ドラえもんの情報により、何とかセーブは消さないで済んだ。 明日ドラえもんはスネオにリベンジするらしい。 でももちろん 「こっちは対策してあるんだよね…… どう足掻こうが僕のポケモンには勝てないさ…」 とか言ってる。 密かにドラえもんを応援してた。 10月12日 昼間は空き地でスネオとドラえもんの勝負だった。 スネオはこの間と同じ不思議な守りミカルゲを出してきた。 対するドラえもんはカイロスだった。 スネオはドラえもんの出したカイロスを見て、 「そんな虫使ってるのかよwwまぁ攻撃は……効かな……い」 ……カイロスはかたやぶりだった。 「いやぁ、スカッとするねマスカット!」 ドラえもんはスネオに勝って調子に乗ってる。 僕も今度はジャイアンに勝ってやる 10月14日 曇り 今日はスネオと模擬戦をすることにした。 一瞬、「レディバを使おうかな……」 と意味不明な考えが頭に浮かんだのは内緒だ。 結果……僕の負けだった。 良く分からないけどスネオのテッカニンは茸の胞子を使ってきたのだ。 しかもその後に夢食い……成す術も無く負けちまった。 家に帰ってドラえもんに何故テッカニンが茸の胞子を使えるかを聞いてみた。 「あぁ、アレは改造と言って不法な行為なんだ」 ドラえもんはそう言うと眠たそうに欠伸した。 10月15日 曇り スネオが違法な行為をしている……今日はスネオの家に行った。 「あ?改造の事?今更気づいたのかよwwwww」 スネオは僕を軽くあしらった。 「はいはい、分かったらサッサと帰ってくれ 僕は勉強が忙しいんだ…あ、君は忙しくないのねwwww」 やっぱり殺してやろうと思った。 今日もジャイアンにリベンジするため特訓を重ねていた。 因みにスネオとの勝負で燃え尽きたドラえもんは、 「おいでよ にんぎょうの森」にはまっている。 ちょっと悲しい。 10月17日 曇りのち雨 何かずっとレベル上げているの繰り返し~みたいな感じで段々飽きてきた。 しかしジャイアンとの対戦を想像すると、ポケモンをやらなければならない感じがした。 相変わらずドラえもんは「にんぎょうの森」にはまっている。 今朝は猫の人形のミーちゃんが引っ越してきたそうだ。 ………僕も新しいカセットでも買おうかな しかしDSで3年間、ポケモンで1年分のお小遣いを使い果たした 僕にはそんな道は無かった。 10月20日 雨のち曇り 僕のポケモンも大分強くなった。 これでジャイアンにも勝てるかもしれない…… いよいよ明日はバトルすることになるだろう 今日は早めに寝ることにする。 10月21日 晴れ ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン ジャイアンジャイアンジャイコノコトハスキ ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン ジャイアンジャイアンジャイアンジャイアン 負けた 10月22日 はぁ…… もうやる気もでねぇや…… 死のう… いや、僕にはまだ残しているものがあるな… PCの中に眠るフェラ○オ集と押入れの奥深くに隠してある大量のエロゲだ。 もう…どうしようか 10月24日 また戦える気がしてきた。 今度は絶対勝とうと思う。 10月25日 ドラえもんが僕に 「努力値」と「個体値」、そして「性格」のことを教えてくれた。 ……厨パで逝けば負ける気はしないぜいやっほうぅぅぅぅぅ 10月26日 エロゲの選択ミスって主人公死んじまった。 まぁこれも良しとする。 ガブリアス……ドラえもんから俗に言う4Vを貰った。 これを使えばほぼ勝ちは決定らしい。 wktk 10月29日 殆どのポケ育成が終わった。 一度パーティでも書き記すことにしよう。 ガブリアス(技はドラえもん仕様) トゲキッス(これもドラえもん仕様) うえきばち(何故かこれは抜きたくなかった) 10月30日 最近精液が薄いんだよな…… 11月1日 明日はジャイアンとの決戦だ。 放課後すぐに家に帰った後、例のフェラ○オ集を見た。 僕としたことが光りの速さで抜いてしまったぜ。 今日は早めに寝ることにしよう。 11月2日 ドラえもんにオナニー見られた 鬱だ、死のう 11月3日 今気づいたけどジャイアンには勝ったよ もう楽勝。 ガブリアスの拘り逆鱗だったっけ? それで殆ど一撃さ。 僕がガキ大将として君臨する日も近いな アハハ、楽しみだ 11月4日 くそみそペニス 一度書いてみたかった。 ごめんなさい 11月5日 学校にしずかちゃんが来ない…… どうしたんだろう 心配だ。
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時は2115年 とある会見場で、ポケットモンスター・on-line ver. の公式発表が行われていた。 120周年記念により、MMO風の本格的なオンラインゲーム化が決められていた。 その舞台を決めるにあたって行われたファン投票では、全世界から累計5000万票以上が集まったとの発表等があった。 会見も終盤となり、最も注目の集まる、ゲームのベースとなる地方の発表の時が来た。 果たして、世界のポケモンファンの支持一番多く受けたのは―― 「今作の舞台は、ポケットモンスター・・・ 金銀です!」 所変わってここはまだ21世紀はじめ頃の、とある平穏な町。 そこには一人の冴えない少年が歩いていた。 名前はのび太。後の主人公になる存在なのだがそれは置いといて・・・ 彼はあるところに呼ばれていた。彼はとにかく急いでいた。しかし予定時間を大幅に過ぎていた。それは更なる焦りを呼んでいた。 「くっそー。なんで僕ばっかりこんな目に・・・ 」 それにしてもこの少年、あまりにも惨めな格好である。 服はボロボロ、足は血だらけ、顔は涙でぐしゃぐしゃと、端から見るとまるで虐めでも受けているのかと疑われる程だ。 しかし原因はそうでは無かった。単純にツイてなかったのである。 出掛けようとした矢先に、母親に0点のテストが発覚し説教を受け、野良犬には追いかけられ、ドブに落ちたり電柱にぶつかったり(ry と、酷い有り様であった。 まあそうこうしている内に、ようやくのび太少年は目的地に着いたようである。 ピンポ―ン 「遅いよのび太~。あっ、のび太に急げなんて言っても無理か。あはははは。」 「のび太クン遅いよ~。みんな待ってるんだからさぁ~。」 「俺様をいつまで待たせたと思ってんだ! ぶん殴ってやる!」 「まあまあ武さん落ち着いて。」 「まあやっと全員揃った訳だし、早速始めないか?」 さて、のび太少年を迎え入れたのは、同じ学校に通う4人の少年少女達( プラス狸・・・ では無く猫型ロボット ) である。 のび太少年( 以下のび太 )に話しかけた順に、スネ夫、ドラえもん、ジャイアン、しずか、出木杉といった。 「いや~それにしても、まさか未来のポケモンができるとは思わなかったよ~。 ドラえもんはこういう時は凄い役立つ・・・、いや何でもない。」 「おう! しかも未来のポケモンだって言うから全然ワケ分かんなくなるかと思ったけど、金銀ならやり込んだから大丈夫だぜ! 何故なら俺様はエンテイをレベル100まで育てたからな! ガハハハハハハ!」 「オンラインゲームか・・・? 未来の技術も見れるならいい勉強にもなりそうだね。」 「ピッピと一緒に冒険できるのね。 早くやりたいわね!」 ここまでの会話を聞き終わり、ドラえもんがポケットからパンフレットのコピーを取り出す。 「これが未来デパートの懸賞で当たったんだ! ポケットモンスターオンライン、βテストサーバーのアクセス権、つまりこれがあればタダで未来のポケモンが出来るんだ!」 そう渡されたパンフレットを眺めた出木杉は、ドラえもんに対し 「 『抽選で50名様』 なのに、なんで5人分も当たったんだい?」 と尋ねる。 それに対してドラえもんは 「よく分からないよ。 まあ当たったんだからいいじゃないか!」 と楽観的な感じで答え、出木杉はそれ以上突っ込まなかった。 「そうは言っても、5人分だから僕は出来ないだけどね… まあ僕の事は忘れて、思いっ切りみんなで楽しむといいよ! それより、そろそろ準備を始めようかな。 スネ夫~? 例の物は準備オーケー?」 「バッチリさ。それより、ドラえもんがどうしても必要と言うからわざわざ従兄のお兄さんに頼んで、借りてきたんだぞ。 ダメだなんていったらタダじゃおかないからな!」 「絶対に大丈夫なんて一言も言ってないじゃないか。やって見るまで分からないよ。」 そう言った後、ドラえもんは傍にあったパソコンの電源を付ける。 「さて、準備ができるまでの間、ゲームについておさらいしておこうか。」 「じゃあまずのび太クンに問題。このゲームはどこを舞台にしているのかな? 」 「ポケモン金! それくらい簡単だよ! 」 「正確には場所で言うならジョウト地方だね、ドラえもん。」 「ご名答~。流石出木杉クン。 じゃあ次はジャイアンだ。このゲームの一番大きな目的はな~んだ?」 「勿論、チャンピオンになる事だぜ! 」 「そう、普通のシリーズと同じ様に、バッジを集めてチャンピオンに勝つんだ。 「ところでドラえもん、もう準備が出来たようだよ。」 「あっ、ホントだ。」 そうしてドラえもんは四次元ポケットの中から小さなメモと、何かの冊子を取り出す。 「スネ夫に頼んでおいたパソコンのスペックは大丈夫だし、あとはこの紙に書いてあるアドレスからゲームをダウンロードすれば・・・ ああっ!? 」 ドラえもんの突然あげられた、謎の叫び声に驚く一同。 一番乗りで声をあげたのは、のび太だった。 「どうしたの!? まさか出来ないの? 」 一瞬沈黙の時が流れる。 しかし、その沈黙を破り、申し訳無さそうに声を絞り出すような感じで口を開けるドラえもん。 「そのまさかだよ・・・ 。」 すかさず出木杉がドラえもんに尋ねようとする 「・・・・・。 どういう事なんだい? 君が試す前からそんな事を言うという事は、何かしら根拠があるんだろう?」 「うん・・・。 実は・・・ このパソコンじゃ駄目なんだ・・・。」 溜め息そして落胆の声をあげる一同。 重い雰囲気のまま時が流れる。 しかしそれは長くは続かない。手を震わせながら立ち上がったのは― 立ち上がったのは意外にも、スネ夫だった 「どういう事だよドラえもん! 君に頼まれたスペックは全て満たしたハズだよ!」 「うん…。 スペック的には問題ないんだ。でも…」 「でも何なんだよっ! 僕は従兄の兄さんにどう顔を合わせればいいんだ!」 続く言葉が出てこないドラえもん。少し考え込むようにした後、再び口を開く。 「えっと… 、このままじゃ納得いかないだろうから、一から説明するよ。みんなしっかり聞いてよね… まず、このゲームをダウンロードするのは勿論未来のホームページ。これはみんな分かるよね?」 のび太を除く全員が頷く。 どうやらこののび太、この時点で話についていけない様である。 しかし、そんなのび太を無視して話は続く 「この時代のパソコンじゃダウンロードページにアクセスできないんだ・・・ 勿論、無理やりインストールする事は出来る。 未来からダウンロードデータを持ってくればいい話だからね。」 しかし、スネ夫は一向に食い下がろうとしない。 「じゃあそうすればいいじゃないか! ダウンロードごときに手段を問う必要なんてないだろ!」 ここで急に、ドラえもんの口調が説明的になる 「オンラインゲームは、自分達以外にも相手がいる・・・、 俗に言うNPCに対するPCのことだ。未来の世界では、タイムマシンの操作による不正が無いようにという事で、タイムプロキシというものが導入されているんだ。 タイムプロキシは、ゲームに干渉するタイムマシンプログラムを遮断する優れものなんだ。 未来のゲームは、これが無いと出来ないようになってるんだ。ここまでみんな大丈夫かな?」 「タイムふろしき? それなら僕がこの前借りてたから返すよ!」 「ふろしき じゃない。 プ ロ キ シ だ! そういえばタイムふろしきが無くなったと思ってたら、また君が勝手に借りてたのか!」 「もういいからのび太は引っこんでろ!」 「そうだそうだ!」 「ヒドいよぉおお、みんなぁあ~!」 のび太が騒ぎだし、雰囲気がグダグダになりそうな所で、出木杉が続きを催促して、話は戻る。 「ドラえもん、それで続きは?」 「今回出来ないのは全て、タイムプロキシが無いのが原因さ。これが無いとまるで歯が立たないからね……」 ――――― 結局、この日は全体的に落ち込んだような、暗い雰囲気のままお開きという事になった。 数日後―― のび太は相変わらず堕落した毎日を過ごしていた。 (最近ドラえもんが日中いないなあ。まあ僕は昼寝するからどうでもいいけど) そう言って今日ものび太が長い昼寝を堪能し始めようとした時、未来に繋がっているハイテクな彼の机は、勢い良く開かれた。 「おーい、のび太クン~!!」 しかしのび太の体は起きない。ドラえもんはそれを揺すって起こす。 「なんだよドラえもん~。僕の昼寝をじゃましないでよ~」 「じゃあのび太君はポケモンやらないのね?」 ここでようやく、のび太の他人より段違いに働きの遅い脳が動き出す。 ポケモン――…? 「ああっ! パソコンの!?」 「そうだよ!」 「えっ、本当にできるの!?」 「今のパソコンで無理なら未来に行けば良かったんだよ! それで、今からドラミのパソコンを借りていいことになったんだ!」 「よ、よ~し! みんなを呼んでくる!」 数十分後― 「みんな集まったね?」 「おう! 早く行こうぜ!」 「じゃあ行こうか。ちゃんと帰る時間になったら帰るんだよ。」 「あら? ドラちゃんは来ないの?」 「僕だって行くよ。ああ、なんでこんな事わざわざ言うのかって? 時間通りに帰らないとドラミが怒るからね。だからみんな時間になったら止めて帰るんだよ。」 「話が長げーよドラえもん! 早く行かねえと!」 「バカだなぁジャイアンは。ゲームが逃げる訳ないのn ボカン☆ 「じゃあ行こうか。」 スネ夫は耐えた。しかし、スネ夫の未来は決して明るくはならないということは、まだ彼は知る由もない 2115年―― タイムマシンに乗って、ドラミが居候している家に到着した一同は、いてもたってもいられないというような感じのようだ。 無邪気にワクワクしている素振りを見せる5人は、ドラえもんの第一声を待っていた。 「・・・うん、・・・・・ 」 「・・・ね。・・・・・ 」 「・・・分かったよ、ただ・・・・・ 」 「・・・よ、・・・・・から・・・・・ 」 ドラえもんとドラミが話を終わらせて、ドラえもんは大人しく待っていたのび太達の方を向く。 「よし、じゃあ早速やろうか! あっ、IDは僕がみんなの分をとっておいたよ。」 「おっしゃー! やるぜー!」 「んじゃあ僕も~。お先に失礼~♪ 」 「私もやるわよ! 」 「僕も僕も! 」 と喜びの声をあげるジャイアン、スネ夫、静香、のび太の4人に、ドラえもんは各自のIDとパスワードが記された紙を渡す。 「じゃあ、ジャイアンは向こうのパソコン、スネ夫はあっちのパソコン、静香ちゃんはこのパソコンでやるんだよ。 くれぐれも変な事はしちゃダメだよー。」 『はーい!! 』 「ど、ドラえも~ん! 僕のは~? 」 「ああ、君のはね、違う部屋のパソコンだよ。壊すといけないからね。」 「それどういう意味~? てか、僕だけ別の部屋って酷いよ~。」 「まあ、気にするなよ。 それよりみんなはもう始めてるようだけど…」 「ああっ、僕も早くやらないと! じゃーねドラえもん!」 「頑張ってね~・・…。さて、僕はみんなの様子でも見て回るかな。」 「ところでドラえもん。 この家には5台もパソコンがあるのかい? 」 「そうだよ。1台は家のパソコン、3台はそれぞれ家族のパソコン、残りの1台はドラミに借りたんだよ。 …って出木杉君じゃないか。君はやらなくていいのかい?」 「それが気になっただけだよ。 そういえばここの家の人はいないのかい? 」 「家族旅行に行ったらしいよ。 ドラミは用事があるとかでお留守番。 さあ出木杉君にもこのIDを渡すから早くやってきな。」 「じゃあ、そうさせてもらうよ。」 「急いで出遅れを取り戻さないのでいいのかい?」 「大丈夫だよ。」 「ならいいけど。」 出木杉の考えはこうである。 この前のパンフレットを見た限り、根本的なゲームシステムや、ダメージ計算式は本編とは違うみたいだ。 だから、先に彼等に好き放題やらせておいて、それを観察した後の方が効率的なハズだ。 こんな事に気づいているのはこの僕だけだろう…。フフフ…。我ながら名案だな。 (あ、そろそろ始めてもいい頃合だな…) そして、数時間後―― 「みんなー、もう帰るよー。」 『え~!? 』 と、保護者的な立場のドラえもんに反抗する一同。しかしドラえもんは断固として 「帰るって言ったら帰るんだ! さあ早く! 」 と、子供達に譲る気配を見せないため、彼らは渋々元の時代に帰る事になる。 しかし、普段は優しいハズのドラえもんが、ここまでかたくなになっていたのには別の訳があった。 (いいなあ、みんな。本当は僕もやりたかったのに…。 あっ! そういえばいい方法があるじゃないか! ふふふふふ…。) それから約一ヶ月後―― 「お~いのび太ク~ン! また未来に行こうよ~!」 「ん、何だっけか? ああ! もしかしてポケモン!? すっかり忘れてたよ! でも急にどうしたんだい? 」 「これを見てよ! 」 ちゃらららっちゃらー 「バーチャルゲームプレーヤー、Winbows Destaバージョン! 」 「……何コレ?」 「これはゲームの世界を体験できる道具さ。 実際はパソコンに入り込んで、ああだこうだって感じだけど、どうせ分からないだろうから説明は省くよ。 まあつまりは、ポケモンがリアルにできるって事だよ! 」 「凄いよドラえも~ん!! 早速みんなを誘ってやりに行こう! でも、どうしてこんな凄い物をドラえもん持ってるのさ?」 「懸賞で当たったんだ! “新・22世紀、絶対当たる懸賞術” のおかげかな!」 (名前からして胡散臭い本だな…) それから間もなく、野比家には5人の子供とロボットが集まった。 そして再び2115年へ―― 『着いたー!』 「早速早くやろうよ~!」 「そうだ! 早く準備しろドラえもん!」 「ドラちゃんだって完璧じゃないのよ。 急かすのは良くないわ。」 「そっ、そうだね静香ちゃん! ドラえもんもじっくりゆっくりとやればイインダヨー。」 「よし、出来た!」 『おおー!』 「どうやるんだドラえもん!」 「えっと、今パソコンと繋いだから、このバーチャルコントローラーを握って、マスターボタンを僕が押せばいいんだ。」 「よーし! みんな行くぞ―!」 「みんな準備は~?」 「オーケー!」 「それじゃあ、みんなでポケモンの世界へ・・・ 」 『レッツ、ゴー!!』 次へ